2018 Fiscal Year Research-status Report
Effects of personality on the nonverbal behavior and emotional display under cross-cultural communication context.
Project/Area Number |
17K02997
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Research Institution | Hannan University |
Principal Investigator |
曹 美庚 阪南大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (30351985)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 異文化コミュニケーション / 文化差 / 非言語チャネル / 感情伝達 / パーソナリティ / 外向性 / 接触チャネル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,異文化間コミュニケーションの場面において,個人のパーソナリティが非言語行動と感情表現にどのような影響を及ぼすのかを実証的に検討することを研究の目的としている。当該年度は,感情伝達において接触チャネルの使用が優先される感情はどれか,感情伝達時の接触チャネル使用行動に文化・性・パーソナリティがどのような影響を及ぼすのかについて検討した。日本の大学生119名と韓国の大学生123名を対象に,12感情の伝達における非言語チャネルの使用行動に関する実験を行った。実験結果をもとに,各感情ごとに3つのチャネル使用度の日韓差を確認すべく,まずは国別にチャネル(3)を被験者内要因とする1要因分散分析を行うとともに,参加者の認知的なチャネル選好を確認するため,12感情の各々について,感情(1)×チャネル(3)のカイ二乗検定を行った。次に,12の感情を,接触チャネルが主チャネルである感情群,両面性の感情群,接触チャネルが主チャネルでない感情群に分け,各群ごとに,接触チャネル使用度を従属変数とする,文化(日韓)×性(男女)×外向性(高低)の3要因分散分析を行った。その結果,日本では愛と同情の2つの感情,韓国では愛・同情・感謝の3つの感情において,接触チャネルが主チャネルであることが示された。また,感情伝達時の接触チャネルの使用度に文化とパーソナリティが有意な影響を及ぼしており,3つの感情群のいずれにおいても,日本の大学生より韓国の大学生の方が接触チャネルを有意に多く用いていることが明らかとなった。さらに,日本においては,外向性高群の方が外向性低群よりも接触チャネルの使用度が有意に高いという結果が示された。異文化理解の促進と有効な異文化コミュニケーションのためには,感情伝達における主チャネルの存在と,文化やパーソナリティが接触チャネル使用行動に及ぼす影響に関する十分な理解が必要といえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
感情伝達における非言語チャネルの使用について実験を行い,文化やパーソナリティが感情表現に及ぼす影響における日韓差について学会発表を行っており,研究の進捗はおおむね順調といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
感情表出における文化やパーソナリティの影響についてさらなる研究の精緻化を図り,論文掲載を目指す。
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