2017 Fiscal Year Research-status Report
デジタル教材と言語活動による知識学習効果検証と認知的知識格付けデータベースの構築
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17K03002
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Research Institution | Kitakyushu National College of Technology |
Principal Investigator |
岡田 美鈴 北九州工業高等専門学校, 生産デザイン工学科, 准教授 (90776543)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 一夫 北九州工業高等専門学校, 生産デザイン工学科, 教授 (00200791)
渡辺 眞一 北九州工業高等専門学校, 生産デザイン工学科, 准教授 (00581232)
横山 郁子 北九州工業高等専門学校, 生産デザイン工学科, 教授 (40231568)
中村 嘉雄 北九州工業高等専門学校, 生産デザイン工学科, 准教授 (40346739)
久保川 晴美 北九州工業高等専門学校, 生産デザイン工学科, 准教授 (70530541)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 認知的学習レベル / 知識の自動化 / デジタルフラッシュカード / 文法学習 / 語彙学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度では、北九州工業高等専門学校の本科1年から3年が使用している各検定教科書について、掲載されている新出語彙と文法項目をエクセルにおいてリスト化することから始めた。新出語彙をTOEICのスコアに照らし合わせてみると、1年生ではおおむね220点から470点レベルの語彙が使われており、中には860点から950点くらいのレベルのものもあった。2,3年生ではおおむね350点から470点レベルの語彙で、こちらも860点以上のレベルに相当する語彙も含まれていた。これらはトピックの内容によって、特殊な名詞や状態を表す形容詞が使われているためである。これらの語彙を授業中にデジタルフラッシュカードで学習し、さらにe-learningシステムにもアップして自分で勉強できるようにした。デジタルフラッシュカードを使用して学習した単語と、使用せずに学習した単語について、英語から日本語にするテストを課したところ、平均点に有意差が見られ、効果量も低を示した。 文法項目については、関係代名詞の非制限用法や関係副詞、仮定法、It for to構文、SV it C to~など、難易度の高いものが多く、構造を理解することが困難であると思われた。しかしながら、場面設定をしてピクトグラムを使用した動画を作成し、前後の文脈と合わせて使用している様子を見せ、動画上の最後のスライドに構造をパワーポイントのアニメーション機能を加えながら視覚的に理解させるように促した。これも語彙と同様、e-learningシステムにアップし、学生が自ら学習できるようにした。文法については前後の文脈と合わせて問題を出し、該当する文法の並び替えを課したところ、この動画版デジタルフラッシュカードを使用した学習と使用しなかった学習では、平均点に有意差が見られ、効果量が高を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度では、語彙や文法知識のレベル別リストアップについては研究分担者が、デジタルフラッシュカードの作成と実施は研究代表者がもつ授業において実践された。これらについては当初の計画通りである。デジタルフラッシュカードの原形は完成し、学習者の学習自体も促進されている可能性があることから、作成はこのまま続けていく。しかしながら、研究分担者の異動があったため、データ分析の実施とパイロットデータベースの構築について、分担者との連携が難しくなったため、その点については現在平成30年度の計画と同時進行で行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
デジタルフラッシュカードの作成と実施について研究代表者が行っているため、代表者の所属する機関で連携することが望ましいことなどから、異動に伴い、研究実施機関を宇部工業高等専門学校に変更した。新たな教科書についてリストアップが必要であるが、平成29年度にひな形ができているため、そのリストの入れ替えを研究代表者と連携研究者として宇部高専の英語科教員で行う。また、学習者の認知的学習レベルを測定する方法として、簡易版4技能検査ができるアプリを開発中であるが、所属機関においてCBT検査が実施可能であるため、これから方法について打ち合わせをしていく。また、問題の項目については項目応答分析をして妥当であるかの検証が必要だと考えている。テスト項目の厳密な選定とテスト方法の確立を上記の方法で対応していきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
研究分担者による海外出張が中止となったため、旅費の支出が抑えられたことが理由である。次年度では、昨年度のパイロット調査における国内外雑誌への英語論文の投稿を計画しているため、国内および国際学会での発表のための旅費とそれを基に修正した論文の校正費や投稿費用に充てるつもりである。
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