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2019 Fiscal Year Research-status Report

英語学習到達度評価の垂直尺度化に関する研究

Research Project

Project/Area Number 17K03005
Research InstitutionYokohama National University

Principal Investigator

斉田 智里  横浜国立大学, 教育学部, 教授 (50400594)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2021-03-31
KeywordsIRT / 垂直尺度化 / 英語 / Can-doリスト / 学力調査 / パフォーマンス評価
Outline of Annual Research Achievements

2019年度は以下の2つの研究に取り組んだ。
1.パフォーマンス評価における多値型採点の有効性の検討
パフォーマンス評価では、正答・誤答の2値より、部分点や観点別段階評定といった多値型採点が多く採用される。多値型採点は、手間はかかるがよりきめ細かく学習状況を評価することが可能になるという利点がある。一方で、多値型採点が評価の目的に照らして有効に機能しているかという検証は必要である。本研究では、「書くことの調査」(H22)及び「話すことの調査」(H17)の実データ(国立教育政策研究所実施)をもとに、正答、準正答、誤答の多値型採点の有効性の検討を行った。段階反応モデルを適用してカテゴリー確率曲線を検討したところ、約6割の多値型採点項目で部分点が有効に機能していないことが示唆された。
2.Can-do自己評価データの垂直尺度化と活用
英語のできることの自己評価データに多値型モデルの段階反応モデルを適用し、レベルが異なる垂直尺度化を行い、学習者のCEFRレベルを推定した。CEFR-jのCan-do学生自己評価データ(5458名)を対象とした。中学生1683名(CEFR-jでA2.2までの73項目に回答)、高校生2537名及び大学生以上1238名(CEFR-jでC2までの全110項目に回答)の3つの集団ごとに一次元性の仮定を確認するために因子分析を行い、段階反応モデルを用いて共通尺度化を行った。中学生データには一次元性が確認できたが、高校生と大学生以上のデータは、2因子が適当と判断された。そこで、中高大の回答者データを一つにまとめ、因子を基礎力と応用力に対応させ、それぞれ垂直尺度化を行うことにした。中学生は1つの自己評価推定値、高校生と大学生以上は2つの推定値を出し、CEFR-jレベルとの対応づけを行った。尺度化された値を用いて、大学生に自己評価調査を実施し、CEFRレベルを推定した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2019年度は、本事業における研究成果について2件の学会発表を行うことができたが、その後、論文として完成させるまでに至っていない。増え続ける教育や校務、社会貢献との兼ね合いでまとまった時間の確保が難しくなってきている。

Strategy for Future Research Activity

1.多値型採点における部分点の有効性について、別の大規模学力調査データを用いて引き続き検討を続ける。日本の英語学力調査において、これまでのような全体的(観点を設けない)かつ部分点(正答、準正答、誤答)採点がどの程度妥当なのか、改善するとすればどのようにすればよいのかについて検討を続ける。
2.英語のCan-do自己評価項目(多値回答)の垂直尺度化については、CEFR-jの実データの因子分析結果に基づいて、基礎力と応用力の2つの内容に分けて尺度化を行う。多値型回答項目かつ学年が多岐にわたる(中学校、高等学校、大学・大学院)場合、同一尺度で測れる英語力が存在するのか、垂直尺度化の際の諸課題を明らかにする。尺度値とCEFR-jレベルの対応付けを行う。
3.以上の結果を論文としてまとめて、本事業の研究を完成させる。

Causes of Carryover

・2018年度及び2019年度に国際学会での研究発表のための予算を計上していたが、2018年度については準備が間に合わず、2019年度については新型コロナウィルス感染拡大防止のために学会開催にはいたらず、旅費が累積して残ることとなった。
・大学院生のResearch Assistant(RA)としての雇用人件費とネーティブ・スピーカーによる英文校閲の謝金をそれぞれ計上していたが、2019年度はRAの対象となる大学院生がおらず雇用に至らなかった。また、論文完成までに至らず、謝金も残ることとなった。
・大学院生の雇用及び英文校閲の謝金を予定している。関連する2020年度の国内学会及び国際学会は、2019年度末時点で中止または延期(2021年度)の決定が次々となされている。その場合、旅費は英語教育関係の図書等の購入にあてたい。

  • Research Products

    (2 results)

All 2019

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] パフォーマンス評価における多値型採点の有効性の検討2019

    • Author(s)
      斉田智里
    • Organizer
      全国英語教育学会第45回弘前研究大会
  • [Presentation] 段階反応モデルを用いたCan-do自己評価項目の垂直尺度化と活用2019

    • Author(s)
      斉田智里
    • Organizer
      関東甲信越英語教育学会第43回神奈川研究大会

URL: 

Published: 2021-01-27  

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