2021 Fiscal Year Research-status Report
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17K03005
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
斉田 智里 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (50400594)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 垂直尺度化 / 英語力 / IRT / CEFR / 学習指導要領 |
Outline of Annual Research Achievements |
・言語能力の発達を共通の尺度上で評価するために、国立教育政策研究所『「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料』の小学校外国語活動・外国語、中学校外国語、高等学校外国語の事例をもとに、育成したい3つの資質・能力を観点別にどのような方法で評価をしようとしているかを比較検討した。課題は、3つの資質・能力の枠組みでの評価と英語4技能の評価との整合性をどう図るのかという点である。言語知識そのものを測ることは英語科教育では求められていない現状下で、言語知識を活用して英語4技能によるパフォーマンスを評価する際に、知識・技能か思考力・判断力・表現力かどちらの観点で評価するのかは、垂直尺度化を検討する上で重要である。英語科教育における思考力・判断力・表現力の構成概念を明確化し、指導と評価の方法を共有していくことが必要である。以上の点を具体的事例をもとに検討した。 ・言語能力の発達を捉える上で、教室内での第二言語習得の研究動向に引き続き着目をし、この分野の最新の文献や研究論文を文法及び語彙の習得の点から検討した。語彙については、語彙発達を広さと深さの観点からどのように測るのかの先行研究を整理し、実際にデータを収集した。 ・思考力・判断力・表現力の発達を把握するためには、受検者から記述式の回答を得ることが望まれる。記述式問題は多値型IRTモデルで項目特性値を推定できる。平成31年度4月実施「全国学力・学習状況調査」の中学校英語のデータを用いて、記述式問題の多値型IRTモデルによる分析を行った。あわせて2パラメタ・ロジスティックモデルによる分析も行い、テスト分析の研究論文を発表した。また記述式問題の場合に増加する無回答率についてその要因に関する研究を行った。 ・「話すこと(やりとり)」の能力の育成と評価に関する共同研究を、附属横浜中学校英語科と行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
まだ研究論文として公表する必要のある分析結果が残っている。
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Strategy for Future Research Activity |
・再度1年間延長をしたことで、これまでの研究成果を論文化して公表することに注力をしたい。CEFRjによる垂直尺度化に関する研究、英検Can-doリストを用いた垂直尺度化に関する研究、記述式問題のIRT尺度化とパフォーマンス評価方法の改善についての研究について、今年度中の完成、採択を目指して最善を尽くす。
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Causes of Carryover |
予定していた研究内容のうちまだ英語論文としてまとめられていないものがある。次年度の英語論文校正の謝金及び論文投稿代として確保している。
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