2022 Fiscal Year Annual Research Report
Study on vertical scaling of English achievement
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17K03005
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
斉田 智里 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (50400594)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 英語教育 / 項目応答理論 / 垂直尺度化 / CEFR / 学習到達目標 / 多値型IRTモデル / パフォーマンス評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、英語教育における垂直尺度化のための測定技術の検討と、学習到達目標の垂直尺度化による妥当性の検証を目的に実施された。また、学習到達目標と既存のタスクとの対応づけを行い,IRTスコアの示す意味をCan-Do表示により明らかにし,Can-doリストとタスクを共通尺度上で表示することで,英語力の発達状況を可視化することを目指した。最終年度の2022年度には、中学校英語の学習到達目標への達成状況を評価するために実施された『全国学力・学習状況調査』中学校英語(平成31年度実施)の受検者数977,250人と全26項目の回答データを用いて、中学3年生が無回答である英語テスト項目の特徴を明らかにし、無回答率を減少させるための授業改善について検討した。分析の結果、①記述式はどの領域の問題でも無回答率が高く、口述より筆記のほうが無回答率が高い、②難しい問題ほど無回答率は高くなるが、その傾向は選択式に強くみられる、③学力層の低下に従い無回答率は高まるが、学力層によって無回答の傾向が顕著に異なる、ことなどがわかった。高学力層では、話すことや、聞いて書く又は話すという領域統合の言語活動をさらに経験することが必要であり、低学力層では、英語を読んだり書いたりすることに課題が大きく、話すことの無回答率が、読むことや書くことの無回答率より低いため、話す言語活動の中で自信をつけていくことの有用性が示唆された。 研究期間全体を通じて実施した研究の成果は以下の通りである。英語教育では書くことや話すことのパフォーマンス評価や、Can-do表示に基づく学習到達目標が設定され、多値型IRTモデルを用いた垂直尺度化が可能である。国による大規模英語力調査の書くことと話すことのデータやCEFR-jの自己評価データを用いて多値型IRTモデルによる分析を行い、垂直尺度化を行った。その結果を中学校英語授業で活用した。
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