2020 Fiscal Year Research-status Report
英語重視と母語保持・外国語教育の拡大ーシンガポールからの学び
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17K03012
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
郭 俊海 九州大学, 留学生センター, 教授 (20377203)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 多言語教育 / 母語維持 / 外国語教育の拡大 / シンガポール |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、シンガポールのバイリンガル教育政策の歴史的変遷を考察し、英語重視と母語維持とのバランスがどう保たれているか、なぜ多様な外国語教 育が必要なのか、国民に多様な外国語を学ばせる利点と目的は何かなどを明らかにし、日本やアジア諸国における英語教育や多言語教育への示唆を提示する、こ とである。
本年度は、これまでに実施したアンケート調査や資料調査で収集したデータの整理・分析を継続した。その一部をまとめ、2021年11月に開催された、国際研究集会(Colloque international 2020)『ひとつの言語教育から複数の言語教育へ:CEFRからみた日本語、英語、外国語教育の連携と協働』にて、口頭発表(「シンガポールの言語政策と日本語教育」を行い、会議の参加者たちと意見交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の予定としては、令和2(2020)年度に、研究代表者がシンガポールに渡航し、シンガポールの中高生や大学生を対象に、質問紙調査やインタビュー調査を実施する予定だった。 しかし、新型コロナウイルスの影響で調査が一時中止の状態が続いており、 予定していた調査が実施できなかった。それでR3年度への「再延長」せざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
上述の理由により、研究計画をさらに一年遅らせて実施する。 今年度の目的は、英語と母語の使用状況及びそれぞれの言語への言語観、多様な外国語を学ぶ動機づけに関する調査を継続し、データの整理や分析を行い、学術誌への投稿や学会発表等で研究成果の報告を行う、ことである。
9月までには、研究協力者の協力を得ながら、調査対象機関(ナンヤン工科大学、シンガポール国立大学等)の授業期間中に大学生を対象に質問紙調査やインタビュー調査を継続する。調査の実施方法については、新型コロナウイルスの影響で予定している紙媒体のアンケート調査が困難な場合、オンライン調査に切り替える方法を検討する。そして研究結果をまとめ研究協力者に報告し、専門家や研究協力者の意見やフィードバックを得る。最終的に、本研究課題の調査結果をまとめ、国内外の学会で研究結果を報告する。
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Causes of Carryover |
当初は、令和2(2020)年度中に、研究代表者がシンガポールに渡航し、研究協力者の協力のもと、シンガポールの大学生を対象に、質問紙調査やインタビュー調査を実施する予定だった。しかし、上述の新型コロナウイルスの影響で中止となったため、前年度(2020年)に中断していた研究計画を本年度(2021年)に実施する。
具体的には、まず9月までには、研究協力者の協力を得ながら、調査対象 機関(ナンヤン工科大学、シンガポール国立大学等)の授業期間中に大学生等を対象に、英語と母語の使用現状及びそれぞれの言語への言語観について、質問紙調査を実施する。次に2022年3月までに、上述の調査対象者に対して、英語と 母語の使用現状及びそれぞれの言語への言語観に関する半構造型インタビュー調査及び追跡調査を行い、学会等で研究成果を報告する。
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