2018 Fiscal Year Research-status Report
Developing a Language Assessment System in a CLIL-Based ELF Class
Project/Area Number |
17K03019
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中村 優治 慶應義塾大学, 文学部(日吉), 教授 (40249074)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | EIL / ELF / assessment / CLIL |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は内容言語統合型学習(CLIL)を基本とした共通語としての英語(ELF)授業の言語測定評価システムの開発を目的とする。授業はCLILの4つのC、内容(Content),言語(Communication), 思考(Cognition),協学(Community)を有機的に結合させながら、共通語としての英語という意識を喚起させることを念頭に、反転授業の要素を取り入れておこない、またテスト・評価は授業と表裏一体という基本的立場から手順を授業案→授業実施→測定→検証→授業案再構成→テスト再開発の流れを一貫させる。コミュニケーション能力に言語能力は不可欠であるが、加えて異文化対応能力など文化的な側面、および関心、意欲、態度など心理、情意などの側面もあわせて考え評価の対象とする。加えて、スカイプ、PCなどのITを駆使することも研究範囲である。今年度は関心意欲態度といった心理部分、加えて言語の多様性への意識の変化などといった内面的部分の評価をアンケート、自己評価によって行う。この妥当性を検証しルーブリックにする。従って評価項目の妥当性の検証をおこないその実用性もあきらかにする。授業は前年度の授業案を中心に改訂されたものを基に展開し、アンケートを行い、評価項目の心理部分、内面部分の充実を図る。 例えば双方向型国際会議後のアンケートを行い、学生の実際の言語使用以外の内面の部分の考察が可能となり、その分析結果を活用することでよりきめの細かい指導が可能となると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
教授法と評価測定との表裏一体という側面を考えると、ほぼ満足のいくものと考えられる。研究の目的の第一は多言語話者クラスの特徴(共通語は英語)を生かすと同時に、テレビ会議型学生参加討論授業を実施し、反転授業手法により学生の講義への深い関わり合いを生じさせ、双方向型の対話・討論を行うことであるが、加えて関心意欲態度といった心理部分、さらに言語の多様性への意識の変化などといった内面的部分の評価をアンケート、自己評価によって行うことも同時に行った。因子分析等で各項目の妥当性を検証し広く学外に公開、共有できる素地が固まりかけたことは大きな収穫である
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Strategy for Future Research Activity |
EIL ELF のクラスルームでの教授とその測定、さらに言語的、非言語的側面の教授と測定、またICTの活用による時代の流れに即した研究成果を目指し、最終的には報告書の完成をおこなう。下記のような数字総合分析を行い、29年度、30年度を含めて一覧表(ルーブリック)を作成する。下記のような項目を含める。 There was enough interaction between the instructor and students./The instructor’s way of talking was easy to follow.English speed spoken in class was appropriate./The contents of the class were interesting./Materials were useful./The instructor presented topics effectively./I would like to recommend this class to other students. 最終報告書を次の項目でまとめる。評価システムの汎用性の検討/評価システムと授業の関連性の検討(CLILとの融合性)/学会発表(国内、国際学会)を中心に学外、社会的評価を求める。
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Causes of Carryover |
当初予定していた統計処理用ソフトが予定以上の低価格で購入できたこと、および所属機関所有のものが活用できたために費用の支出が抑えられたこと。さらには、本研究テーマに関する国際学会が複数日本国内で開催されたために、これらの学会で当該分野の研究者、学者と情報交換、成果発表が可能となり、あえて海外に渡航して学会発表の費用を支出する必要がなかった。以上の理由で予定計上された額より少ない支出となった。31年度は研究計画のルーブリック作成などに関する書籍はもとより、専門的知見・見識を有する研究者との交流も必要となり、また研究成果報告書作成、海外での発表も予定しており繰り越し額の有効活用ができると考えられる。
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