2017 Fiscal Year Research-status Report
小学校英語教科化を鳥瞰したキヴァプログラム援用型小中英語ウェブリエゾン教材の開発
Project/Area Number |
17K03024
|
Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
淺間 正通 東洋大学, ライフデザイン学部, 教授 (60262797)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前野 博 至学館大学, 健康科学部, 准教授 (00369597)
山下 巌 順天堂大学, 保健看護学部, 教授 (70442233)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 小学校英語教科化 / 四技能 / 小学校英語評価方法 / ミクシ / キヴァプログラム / 協調学習 / 小中英語連携 / ウェブリエゾン教材 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最大の焦点は2020年度より始まる小学校5・6年生の外国語科にある。すなわち、これまで外国語活動の一環として扱われてきた英語が教科に昇格する画期的なフェイズを迎えるわけである。そこで、混乱や模索が生じるのは必然として捉え、その問題の所在を明らかにすべく研究対峙した。教科となれば、これまである意味でタブー視されてきた書くこと、読むこと、それらに伴う評価も、学校間格差を生じさせながら多様な形で推進されることとなり、状況次第では、これまでの「英語好き」の児童たちが、英語体系への気づきにまで具体的に踏み込まされてゆくために、「英語嫌い」へと潜在誘導されてしまう危険性も孕んでいるのである。 そこで、科研費初年度の研究としては、現在どのような形で小学校英語が2020年度へと橋渡しされようとしているのかの調査を行うと同時に、小中英語連携の問題も併せて調査することにした。結果、前者にあっては、かなり難度の高い形で移行しゆく状況が資料から紐解かれ、また後者にあっては、双方の現場であまり未だ本格検討されていない実態が浮き彫りとなった。また私立中学の英語受験を意識した教育産業の動きも活発化の兆しが見え始めており、展開の方向を誤れば、「偏差値主義的英語教育」に質転換しかねないリスクも見え隠れしている。そこで、課題探索のための国内のフィールドワークを行う一方で、9月には課題解決の知見を得るべくアイスランドおよびフィンランドの小学校を訪問することとした。アイスランドおよびフィンランドでは、協調学習およびアクティブラーニングとしての「教科 英語」が展開されており、とりわけフィンランドでは答えそのものよりも、そこに至るプロセスを大切にするMiksi(=Why)の教育理念が英語教育においても推進されており、ウェブリエゾン教材を2018年度に構築していくにあたって大きなヒントを得ることができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
国内のフィールドワークにおいて、小学校英語教科化となる2020年度を迎えるに際して小学校英語現場教員からのヒアリングでは、推論としての見解を耳にすることはできても、具体的にどのように教科化初年度を迎えるか、またどのような授業展開をすべきかを具体イメージしている教員は少ない。裏を返せば、上からの情報が未だしっかりと伝達しきれていないということになるが、現場への情報開示の遅れがどのような理由によるものかは定かではないが、2018年度前半は再度調査を行って状況把握に努める考えである。なお、2018年度の研究計画である「小中英語連携の理念に沿った具体的な四技能連携」の研究は予定通り維持しながらの並行研究を行うことで、研究の遅れを正常軌道に修正する考えである。
|
Strategy for Future Research Activity |
3年間の研究計画での2年目となる2018年度研究は、「現在までの進捗状況」欄においても触れたように、小学校英語が2020年をどのような形で迎え、そしてどのような形で始動してゆくかの分析を、現場教員および専門家からのヒアリングを再度執り行いながら、問題点の所在を再度明確化してゆく考えである。そして、ひとたびその問題点が明らかになったならば、2018年度前半は、具体的に中学校へと繋いでゆくための小学校英語の四技能指導の在り方に対して、問題解決の視点も反映させながらサンプル教材の開発を執り行う予定である。そして2018年度後半は、フィンランドのいじめ防止プログラムとして名を馳せたキヴァ(KiVa)プログラムのコアエッセンスを巧みに取り入れたところの小学生用ウェブ英語教材を年度前半にサンプル開発したアナログ教材と協調させて開発を執り行う予定である。 そして、本研究の最終段階で開発することとなるのは、「キヴァプログラム援用型小中英語ウェブリエゾン教材」であるので、最終年度への研究上の機能連携が果たせるように、中学校1年時の指導内容とのスムースな「橋渡し英語」の姿を構想しながら、最終年度のウェブ教材開発へと結ぶ考えである。
|
Research Products
(6 results)