2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of critical thinking tests for Japanese learners of English
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17K03029
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Research Institution | University of Niigata Prefecture |
Principal Investigator |
峯島 道夫 新潟県立大学, 国際地域学部, 准教授 (10512981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 理恵 新潟医療福祉大学, 社会福祉学部, 助教 (40766987)
茅野 潤一郎 新潟県立大学, 国際地域学部, 准教授 (50413753)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | クリティカルシンキング / クリティカルリーディング / 批判的思考 / 批判的な読み / 批判的思考力テスト |
Outline of Annual Research Achievements |
研究2年目の2018年度は,計画通り「国内外のCT力評価テストの分析」を行った。 具体的には,国内でCT力測定テストとしてよく用いられる久原・井上・波多野(1983)を分析対象とした。同テストは,Watson-Glaser Critical Thinking Appraisal(以下, WGCTA)を参考にして作成されたものであるが,WGCTAは1)Inference, 2) Recognition of Assumptions, 3) Deduction, 4) Interpretation, 5) Evaluation of Argumentsの5つのセクションから構成されている。久原ら(1983)のテストは,この5つのセクションの1)Inference(推論)に特化したテストである。日本では「批判的思考力測定テスト」と称され,まるでCTが単一の構成要素からなるような印象を与えるが,それは誤認であり,CTの構成要素の1つしか測れない。この点を明らかにできたことは有意義であった。 次にWGCTAと並び,外国のCT力測定テストの分析対象としてEnnis& MillmanのCornell Critical Thinking Test (Level X)を取り上げた。このテストは,1) Induction (帰納),2) Observation & Credibility(観察と信頼性),3)Deduction(演繹),⑤Assumption(前提)の5つの側面を評価対象としているが,WGCTAのテスト同様に,本研究が目指しているValue Judging(価値判断)は含まれておらず,残念ながら同テストは参考にできないことが判明した。 上記の研究成果は,同年9月の日本教科教育学会第44回全国大会およびJALT(全国語学教育学会)2018の国際大会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調であると思われるが,本年度の研究結果から,本研究がその対象としている,批判的思考力の構成要素の一つである「価値判断」を評価する際に参考にできるような国内外の批判的思考力テストが,残念ながら見当たらないことが分かった。むしろ過去に扱った国際学習到達度調査(PISA)のReading Literacy(読解力)のテストが参考になるかもしれない。次年度はまずこの可能性を探る作業が必要になるかもしれない。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の3年目である2019年度の計画はCT力評価テストの検証と改良である。試作テストを実際に用いて,得られたデータを基に試作テストに改良を加えることが中心課題となる。研究成果の発表は11月のJALT等で行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究分担者に分担した分に若干の残が出たことなどが主な理由である。次年度にはその分も含めて物品費などに使用する予定である。
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Research Products
(8 results)