2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of Analytic Evaluation Criteria for Novice EFL Writers
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17K03030
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
馬場 千秋 帝京科学大学, 教育人間科学部, 准教授 (50465374)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | L2ライティング / 分析的評価基準 / 英文産出量 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、当初の計画より1年前倒しで2018年度に作成したパイロット版のスローラーナー向けの英作文分析的評価基準で、採点者が「使いづらさ」を感じた項目について、再検討するために、2018年度に採点を依頼した協力者に対し、インタビューをメール上で行った。その結果、評価基準の説明において、あいまいな記述があり、判断しにくい項目がいくつかあったため、より明解な説明に修正する必要があること、学習者に提示するトピックや状況を考えながら、評価基準をデザインすべきこと、トピックとテーマにより、総語数も決めたほうがよいことなどの問題点が挙げられた。また、英文産出量(総語数)を評価基準に含むかどうかについては、あったほうがわかりやすいという結果であった。 そこで、英文産出量をスローラーナーの英作文の評価基準として適切かどうかを検証するために、Baba(2016)と同様に、20分間のtimed writingを行い、5分ごとに色を変えて、5分ごとの総語数の伸び、20分間での語数、TOEIC Bridgeのスコアと総語数の相関により、英語力と英文産出量の関係の調査、ならびに、Baba(2016)で開発した全体的評価基準とJacobs, et al.(1981)の抜粋・改良版の分析的評価基準を用いて、英作文の評価を行った。今回、パイロット版の修正中につき、類似の分析的評価基準を用いた。その結果、英文産出量、語彙、文法、内容の観点から、分析的評価と全体的評価に高い相関があること、英語力が高い学習者の英文産出量が多く、全体的評価と内容面の評価も高いが、語彙や文法はTOEIC Bridgeで120以上の場合、あまり差が見られない。本結果と過去の研究から、TOEIC Bridge 120が1つの指標であること、英文産出量がスローラーナーの英作文評価基準に適切であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
パイロット版の英作文評価基準については、修正を今後していく必要があるが、評価基準としての英文産出量の必要性が明らかとなり、また、評価基準の修正箇所も明らかとなった。 2019年度は予定していた学会での成果報告と情報収集を行うことができたが、海外視察は行えていない。今後行うことを検討するが、2020年度については、2019年度終盤からの新型コロナウイルス感染拡大により、進捗状況も停滞する可能性がある。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、パイロット版の英作文分析的評価基準の修正すべき箇所を修正し、信頼性、妥当性の検証を行っていく予定である。その際、英文産出量については、どのような形で入れていくべきなのかを検討しながら行う。 ただし、現在、新型コロナウイルス感染拡大の関係で、研究が滞る可能性があるので、状況に応じて実施する予定である。
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Causes of Carryover |
2019年度に実施したインタビューの協力者に対しては、2020年度も引き続き協力を依頼するため、謝礼等を2020年度に計上する予定である。また、国際学会、国内での学会での成果発表や海外視察等での旅費使用が計画より少額であったため、未使用となっている。2020年度に使用する予定である。
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