2017 Fiscal Year Research-status Report
小学校英語コミュニケーション活動に求められる語用論的意味解釈力に関する実証研究
Project/Area Number |
17K03038
|
Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
松村 省一 龍谷大学, 国際学部, 教授 (90331131)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇田 博文 龍谷大学, 国際学部, 教授 (40352934)
チヤプル ジユリアン 龍谷大学, 国際学部, 教授 (60411279)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 小学校 / 外国語活動 / 語用論的能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、小学校外国語活動において「意味のあるコミュニケーション活動ができていない」という教員の声を背景に、その改善および活性化に向けた方策の提案を行うことを目的とする。具体的には、学校現場での実態調査を踏まえて、イントネーションなどの音声情報で表される「語用論的な意味」を重視したコミュニケーション活動の指導例や教材を現職教員の協力を得て開発し、併せて現場で実践することで児童への教育効果を検証する。また、その結果をもとに、小学校でのコミュニケーション能力育成に貢献できる教員の養成・採用・研修のあり方について考察する。2017年度は以下の課題を遂行した。 (課題1)現職の外国語活動担当教員の語用論的能力、とりわけ、「音声情報で表される語用論的意味を解釈する能力」のレベルを調査するためのテストを作成し、試験的に実施した。テストスコアの信頼性を確認し、妥当性の検証を行い、テスト項目の修正を行った。修正版のテストを改めて試験的に実施し、次年度以降のデータ収集で使用する最終版を確定した。 (課題2)外国語活動の実態、とりわけ英語を教えることを専門としない教員によるコミュニケーション活動の質と量の実態を調査するために、沖縄県の小学校で授業観察を行った。また、コミュニケーション活動の現状と課題を確認するために担当教員との研究会を実施した。 (課題3)中学校や高校の英語教員免許を有し、留学経験のある外国語活動担当教員が、どの程度の語用論的意味解釈力を有しているのかを調査し、その結果を国際語用論学会で発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2017年度に予定していた研究活動は、外国語活動担当教員の語用論的能力を測定するテストの作成、外国語活動におけるコミュニケーション活動の実態調査の実施、小学校の英語教育について国際動向を調査することであった。日本の小学校外国語活動の枠組みの中で実現可能な「語用論的な意味」を重視したコミュニケーション活動の教材や指導例を考える際の基礎資料を作成することができたことから、本研究はおおむね順調に進展していると評価できる。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、2017年度に作成した「音声情報で表される語用論的意味を解釈する能力を測定するテスト」を使って、外国語活動担当教員からデータを収集し、量的分析を行う本調査を実施する。また、児童への教育効果を検証するために、アニメ動画を使ったクイズ形式の語用論的能力測定テストを作成する。
|
Causes of Carryover |
国際動向調査の一環として韓国および台湾の小学校における授業観察を予定していたが、学休期の都合から実施できなかったため、次年度以降に実施する。
|