2018 Fiscal Year Research-status Report
近代日本の水産業および化学工業の発展への藁工品生産の対応に関する研究
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17K03061
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
高橋 周 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (10339731)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 藁工品 / 叺 / 莚 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、本研究の第2年度として、主に史料調査を行なった。具体的な調査先は以下の通りである。 7月に北海道道東地域への調査を行なった。訪問先は、釧路市中央図書館、浜中町総合文化センター図書室、本の森厚岸情報館、帯広市図書館である。このうち、前3地域は水産加工における藁工品の消費地であり、最後の1つの一帯は、穀物(雑穀)生産が盛んな地域として包装材として藁工品の需要の多い地域であった。続いて鹿児島大学図書館および鹿児島県立図書館への調査を10月に行い、九州地方での生産について史料を収集した。その結果、九州内での産地について具体的な調査地点を定めることとなり、2月の宮崎および福岡での調査となった。その具体的な訪問先は、宮崎県立図書館、新富町図書館・資料館、福岡県共同公文書館である。このうち、福岡県共同文書館では、昭和初期の藁工品を対象とした補助金にかかわる県所蔵公文書を調べることができた。そして2月には、青森県にて青森県立図書館と八戸市立図書館の調査を行ない、3月には北海道道立文書館、北海道大学附属図書館、同農学部図書室、函館市立図書館の調査を行なった。ここでは主として近代前半における重要な消費地であった北海道での藁工品の集散と、北海道への最大の供給県であった青森の生産について調査を行なった。 これらの調査の中で、北部九州地域での生産について、特にさらなる調査の必要が生じてきた。これらは工業の発達と、石炭産業の発達により、新たな藁工品需要が高まった地域であり、これに応じる形での生産の拡大のあった地域であることが判った。第3年度には、それらの地域について、さらに調査を進めていくことになる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
第2年度までの調査の結果、多くの史料を集めることが出来たが、その結果、計画の時点では把握できていなかった事実を知ることになり、特に西日本地域での展開についても視野に入れた研究が必要となって来たことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
第3年度では、当初の計画とともに、新たに必要となった調査・検討を進め、史料の調査とともに学術論文の作成に入る予定である。
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Causes of Carryover |
購入を予定していた史料に関し、紹介者が前年度末に病に倒れ、その話が止まってしまったことが最大の理由である。そのため、当該史料の購入に代り、史料調査によってこれを補完するよう、第2年度より調査を進めており、第3年度も、これを継続する予定である。
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