2019 Fiscal Year Research-status Report
近代日本の水産業および化学工業の発展への藁工品生産の対応に関する研究
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17K03061
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
高橋 周 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (10339731)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 化学工業用藁工品 / 漁業用藁工品 / 塩業用藁工品 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は史料調査を進めるとともに、研究成果物の刊行に向けた分析を行った。 前年までの史料調査および史料の検討より、それまでよりも広い範囲での史料調査の必要が明らかになり、2019年度は、調査先の範囲を広げた。これまでの調査先は漁業向けから化学工業向けへの転換の産地であったが、化学工業向けへの転換は漁業からだでなく、塩業用や農業用からの転換もあり、藁工品の生産量が上位の産地の中には、漁業以外からの転換によって化学工業向けへと転換した地域も存在した。本研究においては、漁業からだけでなく、多様な経緯での化学工業向けへの転換との比較検討を行う必要であると考えた。 具体的には、福岡県(糸島市、福岡市、豊前市)、香川県(高松市、観音寺市)、北海道(札幌市、江別市)、兵庫県(神戸市、姫路市)、静岡県(掛川市、浜松市、森町、袋井市、菊川市、静岡市)にて史料調査を行った。このうち、福岡県の各地は、前年の福岡県共同公文書館での調査にて判明した叺産地を訪れ、現地に残る史料を調査した。香川県は、高松市にて香川県立図書館および香川県文書館を、観音寺市では市立図書館を調査した。福岡県豊前市とともに、塩業向けから化学工業向けへの転換を明らかにする目的であった。漁業向け、農業向けともに消費地であった北海道にては、道立文書館と道立図書館を調査した。兵庫県では、朝鮮向け輸出から化学工業向けへの転換があり、これについて神戸市中央図書館と姫路市立図書館にて調査を行った。静岡県は農業向けとして多くの生産があった地域であり、上記の各市町立および県立の図書館にて史料の閲覧を行い、さらに所蔵が確認できた史料について閲覧の申請を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していたものよりも史料調査すべき地点が多様であり、調査すべき史料の量が多くなっている。 また、2019年度後半のから2020年度にかけて、新型コロナウィルス感染症の問題による影響がでている。2019年度末に予定していた史料調査および学会参加が不可能となった。その後も調査・研究が停滞しており、すでに当初予定より遅れが出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
史料閲覧を申請し許可を得たものの、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、閲覧が出来なくなっているものが2件あり、状況が改善された場合に、速やかにその閲覧を行う。 これまで集めた史料の分析と、研究成果の刊行に向けた執筆を行うよていである。
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Causes of Carryover |
2月末から3月にかけて予定していた史料調査および学会参加が新型コロナウィルス感染症の拡大防止にかかる措置にて中止となった。 2020年度においては、新型コロナウィルス感染症の状況が落ち着き次第、調査を再開する予定であるが、現時点では今後の状況が見通せないため、十分な計画をたてることは出来ていない。
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