2018 Fiscal Year Research-status Report
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17K03076
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Research Institution | Ferris University |
Principal Investigator |
大西 比呂志 フェリス女学院大学, 国際交流学部, 教授 (70201978)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 日本語学校 / アメリカ軍 / MIS / 日系人 / 情報活動 / 横浜 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、2018年8月<Ⅰ>と、2019年3月<Ⅱ>の2回アメリカでの資料調査を行った。<Ⅰ>では、カリフォルニア州ロサンゼルスでもとMISのKen Akune氏に面会、MIS教育センターでの調査を行い、Ehrhardt Imanuel Lang氏にも面会してインタビューを行った。 <Ⅱ>では、①ミシガン大学Bentley Historical Libraryにおいて、Center for Japanese Studies University of Michigan records、War Historian University of Michigan records 1941-1945 Japanese Language School includes instructors government security clearances など多数の文書を収集した。②コロラド大学ボールダー校では、U.S Navy Japanese Language School 関係資料としてRoger Dingman papersほか、多数の文書を収集した。さらに20日デンバーで開催されたCouncil for East Asian Libraiesに出席し、ハワイ大学、メリーランド大学、ハーバード大学など在アメリカの大学図書館の東アジアセクション関係者の作業部会で、研究発表し、現地の専門家と情報交換を行った。③サンフランシスコでは、日系アメリカ人図書館のKei Nagai氏、横浜のSan Maur School出身のBabare Weldon氏らに面会し、インタビューを行い、資料の提供を受けた。 これらの調査により本研究課題であるMISというアメリカの軍事情報活動の基礎的史料がほぼ収集することができ、これによりMISの組織形成と運営の実態、そしてMISが日米間の多様な人々による言語と文化理解の民間レベルでの交流活動の上にも基盤があったことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第二回目の調査を行ったミシガン大学およびコロラド大学は、戦時中、それぞれアメリカ陸軍、海軍が日本語学校を設置して、対日情報将校MISの養成を行った学校である。今回、それぞれ約1週間滞在して、現地アーキビストの支援を受け、網羅的に資料を収集することができたのは大きな成果であった。これによりアメリカにおける対日軍事情報活動に関する基礎的な史料はほぼ収集を完了することができた。また現地で東アジア図書館関係者の会合に参加することができ、その後継続的に情報交換できることになったことは、今後の研究に大いに有効となった。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの調査でMISの養成機関からの資料調査はほぼ順調に終了したので、今後はこれらを統括したアメリカ陸海軍、国務省など中央本省の資料を調査して、全体像を明らかにすることがあらためて必要である。そのためにはワシントンDCおよびメリーランド州に所在するアメリカ国立公文書館NAⅠ、Ⅱおよびアメリカ議会図書館LCの調査を行うこととしたい。NAⅠ及びⅡには、アメリカ政府内における陸海軍省、国務省、戦時情報局などの政府文書があり、LCにはアメリカが戦後日本から押収した日本陸海軍文書や元LC日本課課長のArthur Kuroda Papersがある。またこれまで行ってきたMIS関係者の聞き取り調査は、存命者が限られてきている状況なので、可能な限り継続して行うことにする。
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Causes of Carryover |
当初予定していたワシントンDCでの調査が、所属研究機関の海外調査と重なり実施を見送ったため、約14万円の剰余金が生じた。次年度に実施予定である。
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