2020 Fiscal Year Research-status Report
歴史学の成り立ちをめぐる基礎的研究―京都史学史の視座から―
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17K03078
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
小林 丈広 同志社大学, 文学部, 教授 (60467397)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 歴史学 / 地域史 / 公共 / 地方自治 / 史学史 / 史料保存 / 日本史 / 地域研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、コロナの影響があり、研究会の開催、出張調査、史料整理など、さまざまな活動に大きな影響が出た。そうした中でも、可能な範囲での会合や調査などを積極的に計画し、その一部を実施することができた。とくに、屋内で行ったり、業者に委託するなどして行うことができる作業として、これまで行った聞き取りのテープ起こしを推進した。 本研究の費用を用いて行った研究や調査としては、京都市、京都府精華町、旧加茂町(現木津川市)、京田辺市、八幡市、宇治市、亀岡市など府下一円の文書調査に関する情報収集、和歌山県や奈良県、滋賀県などの現地調査、東京都内のいくつかの特別区の資料館・文書館の調査などがあげられる。現地調査を行う場合には、先方の文書館などの都合に合わせて実施したので、結局年度内には調査がかなわなかった地域もいくつかあった。また、継続的に調査に協力している寺院の調査についても、先方の都合により対応が分かれた。年度内もほぼ変更なく調査を継続できた寺院もある一方、現地での調査は延期し、これまで収集した史料の整理や翻刻に重点を置いたところもあった。 また、2019年10月に行われた地方史研究協議会京都大会に関する成果のとりまとめにも協力した。その他、研究協力者が独自に行った調査としては、京都市歴史資料館、京都大学大学文書館などに対するものがあり、その費用の一部を本研究から補助することができた。 本調査は、これまでに行った調査によって蓄積された史料が相当の分量になっていたので、今年度は、それらを整理し、今後の調査方針を見直すのに良い機会となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度は、コロナの影響で研究会の開催や出張調査、聞き取り、史料整理などが大きな影響を受けた。また、これまでの研究成果を受けて、シンポジウムや講演会、展示会なども検討していたが、それらについては、ひとまず延期することにし、現段階で可能な手立てを考えることにした。 現在、研究協力者がそれぞれ手元でできる作業として、収集した史料の翻刻、研究論文の作成などを提案しているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後のコロナの影響が見通せない中、可能な手立てを講じて、研究を推進することにしたい。 まず、研究会や史料調査などは、可能な範囲で継続して行う。ただ、その成果の発信方法は、シンポジウムや展示会などにとらわれず、史料紹介や論文などの形も模索することにしたい。聞き取りのテープ起こしなどもその一例である。 また長期的な課題である研究論文集の作成に向けて、その方向性の議論を進めることにしたい。
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Causes of Carryover |
コロナ流行の影響を受け、計画していた講演会、シンポジウム、出張調査などが行えなかったため、次年度に繰り越すことになった。 次年度については、出張が可能な地域の調査を優先して積極的に実施するほか、関係史料の購入や整理、翻刻、聞き取りのテープ起こしなど、これまでの調査では後回しになっていた、時間がかかる作業に取り組むことにする。また、コロナが収束した場合には、そうした作業の一部を生かして、シンポジウムや公開講座などを計画し、成果の公開にも努めることにする。
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