2017 Fiscal Year Research-status Report
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17K03086
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Research Institution | Nara National Museum |
Principal Investigator |
吉澤 悟 独立行政法人国立文化財機構奈良国立博物館, その他部局等, 室長 (50393369)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 忍性墓 / 実測図 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の初年度にあたる平成29年は、忍性墓出土品の調査を行うことが当初計画であった。忍性の遺骨を分納した3つの骨蔵器(額安寺忍性墓、竹林寺忍性墓、極楽寺忍性墓)のうち、竹林寺と極楽寺のものは、忍性本人の骨蔵器と弟子達の骨蔵器、そして副納品の一部に関して、考古学的な実測図の作成を行った。また、それらの基本構造を把握するために記録写真や調査メモを作成した。本来であれば、CTスキャン分析、蛍光X線分析も併せて行う予定であったが、機器の調整や修理に時間がかかり、また原品を借用・輸送の都合が調整できず、年度内には実施できなかった。これら理化学的な分析は次年度以降に体勢を整えた上で再実施する予定である。 また、忍性個人や律宗寺院の活動に関する文献調査や先行調査・研究の探索も同時に進めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CTスキャン撮影および蛍光X線分析について、機器の調整時間がかかり、また博物館業務上の撮影が優先される期間に骨蔵器原品の借用・搬入・返却予定のタイミングが重なってしまったため、理化学的な分析は次年度に再実施することにした。
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Strategy for Future Research Activity |
忍性墓出土品の調査を継続して行う。今回実施できなかったCT撮影や蛍光X線分析の機会を設け、さらに額安寺忍性墓の実測図も追加作成して行く。同時に奈良の般若寺所蔵品や律宗寺院の活動に関わる史料調査も併せて進めて行くが、当初年度の反省を踏まえ、調査は当初計画の順番よりも、実施可能なタイミングをみつけて積極的に行うようにして行きたい。
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Causes of Carryover |
初年度に実施を見込んでいたCTスキャン撮影や蛍光X線分析を次年度に実施することにしたため。
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