2018 Fiscal Year Research-status Report
近世大名家臣家史料の共同分析-多久家史料の読み直しを中心として-
Project/Area Number |
17K03095
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小宮 木代良 東京大学, 史料編纂所, 教授 (90186809)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 孝之 東京大学, 史料編纂所, 教授 (30170757) [Withdrawn]
及川 亘 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (70282530)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 大名家臣家文書 / 佐賀藩 / 近世前期 / 多久家 / 公儀軍役 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、佐賀藩家臣多久家文書の共同研究を行うため進められてきた共同研究(東京大学史料編纂所共同利用・共同研究拠点における特定共同研究経費 2014年度~2017年度)が終了するにあたり、それを継承発展させていくことを目的として、当該共同研究の最終年度にあたる昨年度から開始された。 本年度は、東京大学史料編纂所(6月30日から7月2日)と多久市郷土資料館(10月5日から7日)において各一度ずつ研究会を行った。研究会では、メンバー11名(研究分担者3名・研究協力者8名)であらかじめ分担していた個別史料一点ずつの年次比定・人物比定・解釈等について、事前にteamfile上での検討結果を共有しておき、現物史料もしくは史料の精細画像を前にした研究会の場で集中的な共同分析を行った。今年度は、総計111点の分析を行った。また、多久の研究会の際、佐賀県立図書館において同館蔵の多久家関係史料の調査も行った。また、昨年度に着手した佐賀県立図書館所蔵の坊所鍋島家文書の史料画像の整理と未活字分の分析も継続して行った。 また、昨年度開催した共同研究による本プロジェクト成果報告のシンポジウム(「多久家文書を読みなおす2 テーマ 近世前期における公儀軍役負担と佐賀藩」2017年11月26日、於多久市東原庠舎、80名参加)における4報告を論文としてまとめ、『近世前期の公儀軍役負担と大名家』(小宮木代良編、岩田書院、2019年3月)を刊行した。同書には、2015年度開催の多久家文書共同研究成果報告シンポジウム(『多久家文書を読みなおす』2015年11月15日、於多久市東原庠舎、90名参加)からも4報告を論文化して掲載した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理由 当初の目的である多久家文書約700点の共同分析については、これまでに約480点が終了した。また、関連する大身家臣家史料群のひとつとして、坊所鍋島家文書のうち未活字化分の分析も着実に進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度と最終年度になる次々年度までに、多久家文書のうち残りの約220通の共同分析を終わらせる。そして、以上の分析成果の最終確定のための研究会を最終年度にはできるだけ多く設定したい。
|
Causes of Carryover |
本研究は、佐賀藩家臣多久家文書の共同研究を行うため進められてきた共同研究(東京大学史料編纂所共同利用・共同研究拠点における特定共同研究共同研究経費 2015年~2018年度)が終了するにあたり、それを継承発展させていくことを目的として、当該共同研究の最終年度にあたる2017年度から開始した。したがって、両研究の継目としての2017年度の実施計画においては、次年度からの多久家文書読み直し開始のための準備として、1.データおよび分析結果共有のための環境の検討および整備、2.関連する他の大身家臣家史料群の検討と調査を掲げていた。このうち、1.については、検討の結果、2018年度からのメンバー間の分析データ共有システムとして、TeamFileASPを導入することとした。このシステムは、前述の先行する共同研究におけるシステムと近接するものであり、これにより、新旧の研究の連続性をスムーズにすることが可能である。2.については、坊所鍋島家文書の以前より入手済みの史料画像の整理と未活字分の分析に着手した。1.および2.の課題ともに、2017年度において費用はほとんど発生しなかったため次年度使用額が生じた。一方、1.のシステムを2018年度から導入することにより、最終年度まで継続しておよそ年間12万円以上の費用が発生する。したがって、2017年度の未使用分はその不足分に当てていく予定である。
|
Research Products
(9 results)