2017 Fiscal Year Research-status Report
西播磨小藩・旗本領における領主支配と地域社会構造の歴史的研究
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17K03117
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
今井 修平 神戸女子大学, 文学部, 教授 (00131540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東谷 智 甲南大学, 文学部, 教授 (10434911)
鎌谷 かおる 総合地球環境学研究所, 研究部, 特任助教 (20532899)
村田 路人 大阪大学, 文学研究科, 教授 (40144414)
志村 洋 関西学院大学, 文学部, 教授 (90272434)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 小藩領 / 在地家臣団 / 陣屋町 / 藩校 / 幕府広域支配 / 下級武士の職務 |
Outline of Annual Research Achievements |
6月22日に研究代表者、研究分担者、研究協力者全員で研究会を開催し、西播磨における小藩領研究の現状と課題を確認のうえ、全員参加による西播磨地域の現地調査、および古文書調査の実施計画と個別の課題ごとの調査・研究計画をたてた。 研究代表者は8月9、10日両日にわたって大学院生4名の協力を得て佐用町役場上月支所に委託・保管されている三日月藩(乃井野藩)家臣、小林家文書の写真撮影を実施した。さらに研究代表者・研究分担者全員および研究協力者に加え近代史専門の久野洋氏の参加を要請し、8月25、26両日にわたって同所に委託・保管されている、三日月藩(乃井野藩)森家の藩政史料(列祖神社文書)、森家家臣の小林家文書、大庄屋江見家文書、櫛田村庄屋文書、下櫛田村庄屋文書、上月組大庄屋大谷家文書を調査し、古文書の写真撮影を実施した。さらに2日目には乃井野地区に現存する武家屋敷の竹内邸において古文書調査と聞き取り調査をおこなった。 9月9日には研究代表者今井と研究者分担者村田が三日月藩武家屋敷の街区が残る乃井野地区の公民館で在地に伝存する武家文書の概要と研究上の意義について講演し地域住民と座談会をおこなった。 11月5日及び3月30、31両日には研究代表者今井と研究分担者志村が近代史専門の久野洋氏、院生4名の参加のもと乃井野地区の武家屋敷、竹内邸において古文書調査、写真撮影、目録作成を実施した。これらの文書は研究代表者・分担者・協力者でデジタル化した写真を共有し、それぞれのテーマに応じて解読、翻刻をすすめている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査対象の史料が個人所蔵であり、かつ旧武家屋敷の納戸や蔵に分散して保管されていた古文書を、所蔵者立ち合いのもとで調査、整理をしつつ写真撮影を行っているため、調査日程の調整が難しく、また町の教育委員会に委託・保管されている古文書についても文化財担当者の人員が限られているため、文書調査と写真撮影に予想以上の時間を要した。 その目録作成と解読を進めているが、その分析作業がまだ十分ではない。
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Strategy for Future Research Activity |
古文書の写真撮影を平成30年度の前半までに完了させるとともに、デジタル化された古文書写真をもとに手分けして目録の作成を年度内に完了させる。また順次、解読を進め、主要な文書の翻刻原稿を作成する。 地元の教育委員会の協力を得て、地域住民に対し研究成果を報告する機会として、8月には宍粟市、10月には佐用町で公開講演会を予定している。さらに、研究代表者、研究分担者、研究協力者で研究会を開催し、討議のうえ平成31年度に向けて研究成果の公開方法を具体的に検討する。
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Causes of Carryover |
現地における古文書調査の日程調整がやや困難で調査日数が少なくなったことや、東京、岡山など遠隔地への調査が不十分に終わったことによる旅費の不使用。および、目録作成作業の遅れと翻刻史料の選択にまで作業が進行しなかったことによる翻刻作業の人件費が未使用に終わったことによる。前年度未使用金を活用して未調査・未撮影の古文書調査と古文書写真撮影を完了させ、30年度分として請求していた助成金を目録作成と翻刻作業ならびに研究会、研究成果報告会の開催費に使用する。
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