2017 Fiscal Year Research-status Report
「開港期」朝鮮を中心とする「交隣」の総合的研究:東アジア世界秩序の再検討の試み
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17K03137
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
岡本 隆司 京都府立大学, 文学部, 教授 (70260742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 亮太 立命館大学, 経営学部, 教授 (00363416)
森 万佑子 京都府立大学, 文学部, その他 (30793541)
中 純夫 京都府立大学, 文学部, 教授 (50207700)
石田 徹 島根県立大学, 総合政策学部, 准教授 (90386524)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 交隣 / 事大 / 外交 / 思想 / 国際関係 / 通商 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は朝鮮王朝の「交隣」を中心に、近世から近現代の東アジア国際政治と世界秩序の変遷をみなおそうとする研究である。 初年度の29年度は全体の研究会を5月中旬(京都府立大学)・11月中旬(京都府立大学)・3月初旬(島根県立大学)と3回開いた。初回は研究会の組織と目的、今後の予定の確認しつつ、従前の研究成果に関する若干の意見交換と討論を行い、第2回・第3回は各自がすすめてきた本格的な研究の報告とそれをめぐる討論を行って、研究代表者・分担者の知見を豊富にした。とりわけ外交と思想との関わり、そこで問題となる名辞・称号の漢語概念、およびその変遷について、立ち入った議論と課題の発見が得られた。 その間にも代表者・分担者はそれぞれ個別に、資料調査・研究活動をおこない、独自の成果を得ている。 なお研究代表者はこの研究成果にもとづき、10月に韓国日本史学会でも「大君主の興亡」と題する研究報告を行い、とりわけ「交隣」の関係で問題となる近代朝鮮の君主号の変遷に関する考察について、本場の専門家の批評を仰ぎ、その研究を大いに進展させることができた。 さらに今年度は以上の成果にもとづき、韓国の専門研究者との協働を模索し、合同のワークショップを企画して、次年度早々に実施することを決定した。これは以後の研究期間中、恒常的に開催して、日韓それぞれに相互補完をはかりつつ、さらに研究の視野・論点を拡充することを企図している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、代表者・分担者は「交隣」に関わる外交・国際関係の検討をはかることになっており、それは一定の成果を上げたし、それを思想・観念の視角から裏づける作業も実現することができた。 そこから研究の次のステップに移行することが可能となっており、研究活動の国際化と合わせて、次年度への円滑な進行が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究活動はおおむね順調に進展しているので、次年度も当初の計画どおり、本年度の継続をはかってゆく。今年度は中国と朝鮮との外交と思想に重点があったので、次年度は朝鮮と日本との外交と通商の関係に重点を置いて、研究活動をすすめていきたい。とりわけ「交隣」と斬り結ぶ制度に関わる論点で、初年度に成果を上げた思想や概念との連関を深めるような議論をはかってゆく計画である。 次年度以降は、韓国の専門家との議論も可能になるので、従前の研究を国際的にも発信し、その精度を高めてゆくと同時に、今年度の研究をもいっそう進捗させることとする。
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Research Products
(12 results)