2020 Fiscal Year Research-status Report
Oasis dwellers in the Structure of Nomad Nation: The Case of Junghars in the Process of Collapse
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17K03141
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| Research Institution | Tohoku Gakuin University |
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Principal Investigator |
小沼 孝博 東北学院大学, 文学部, 教授 (30509378)
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2017-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 天山山脈 / ムザルト峠 / 歴史地理 / 新疆 / 中央アジア / モグール / ジューンガル / 交通 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、本研究課題の基礎となる史料調査が一切実施できなかったので、個人研究室に所蔵している収集済み史料の読解を進めた。特に、当初より取り組むべき具体的な課題に措定していた、天山山脈越えの峠道、特にムザルト峠に関する情報を、ペルシア語・テュルク語・オイラト語の歴史叙述、満洲語文書、漢文典籍、欧文旅行記を読み込むことで抽出した。この課題については、18世紀中頃の清朝征服以降も一括して研究を組み立てる計画であったが、この前後でムザルト峠の利用意義が大きく変化することをふまえ、清朝征服前のモグール=ウルスからジューンガルにかけての考察時期に限定し、歴史地理の側面から分析を加えた（清朝征服以降は継続検討）。そして、その成果を「天山を越えて：ムザルト峠とその役割」と題する報告にまとめ、オンライン研究会で発表した。なお、現地調査は実施できなかったが、インターネット上の3D衛星地図が本報告の実施において極めて有用であった。本報告の内容については、報告後ただちに論文化の作業を開始し、学術雑誌への投稿を準備している。
また、近世・近代の中央アジア=オアシス研究の先達であり、2020年1月に逝去した堀直氏の追悼文を執筆する中で、中央アジア社会経済史の研究史の整理を試みた。そのほか、事典項目や新刊紹介の執筆をいくつかてがけた。
ただし、やはり当初予定していたロシアやスウェーデンの研究機関はおろか、日本国内での史料調査も実施しえず、さらには大学構内への立ち入りにも制限が加えられた時期があり、研究規模を縮小せざるを得なかった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
地球規模での新型コロナ・ウイルス感染拡大の影響をうけ、予定していた史料調査や現地調査はすべて実施しえず、また研究報告を予定していた国際会議も延期となった。本研究課題は、主に海外での一次史料の閲覧調査に基づいて遂行されるものであり、これが実施不能となる状況下において、進捗状況に遅れが生じている。
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| Strategy for Future Research Activity |
2021年度は本研究課題の実施期間の最終年度にあたるが、新型コロナ・ウイルスにかかわる防疫措置により、海外調査の実施はなお見込めないであろうから、研究期間の1年間の延長を計画している。やはり実施を見送った東洋文庫等における国内調査については、感染状況等を注視しつつ、可能な限り実施する方向で調整したい。また、研究成果の公開については、論文執筆以外に、オンラインによる学会・研究会での報告等により進めていきたい。
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| Causes of Carryover |
新型コロナ・ウイルスの感染拡大の影響をうけ、当該年度に予定していた国内外での調査を全面中止とするなど、研究の実施規模が縮小したため、次年度使用額が生じた。基本的な使用計画は、1年間の実施期間の延長も見据えた国内外での調査の経費とするが、出張が可能か否かを見極めつつ、柔軟に対応していきたい。
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