2019 Fiscal Year Annual Research Report
The social and intellectual dynamism of Southeast Asian Muslims: Perspectives from the regional variation of kitabs and change in periods of time
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17K03144
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
川島 緑 上智大学, 総合グローバル学部, 名誉教授 (50264700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 由美 大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 准教授 (80376821)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 東南アジア / イスラーム / キターブ / ウラマー / ムスリム / 思想 / イスラーム書 / 知識人 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度にあたる2019年度は、各自の役割分担に基づいて調査研究を進めるとともに、研究会等を通じて共同研究を深め、学会報告や英文出版物等を通じてこれまでの研究成果を公表した。具体的には6月、9月にフィリピン、南ラナオ州マラウィ市においてキターブとイスラーム知識人に関する調査(川島担当)、12月にタイ南部トラン県カンタン郡においてキターブ使用の歴史的変容と現状に関する調査(小河担当)を実施した。10月には東南アジアのキターブ比較研究会「テキストと儀礼からみる東南アジア・ムスリムの来世観」(日本語)、1月にWorkshop on Comparative Study of Southeast Asian Kitabs: Concepts of the Hereafter (英語)を開催し、意見交換を行った。そして、フィリピン、南ラナオ州のイスラーム学者が代々継承してきたキターブ(写本)42点の詳細な解題付き目録とこれらに関する論考を収録した英文論文集を上智大学アジア文化研究所Occasional Paperとして刊行し(6月)、さらに、東南アジアと南アジアの知的繋がりや、ベトナム(チャム)、ミャンマーのイスラーム書に関する英文論文集を上智大学イスラーム研究センターよりワーキングペーパーとして刊行した(2月)。また、東南アジア各地、及び、中東で使用されてきた来世に関するキターブに関する英文論文集の準備を進め、2020年度前半にイスラーム研究センターよりワーキングペーパーとして刊行予定である。このように、キターブに関する従来の研究が集中している東南アジア島嶼部マレー語圏にとどまらず、フィリピン南部、ベトナム、ミャンマー、タイのキターブや、中東・南アジアと東南アジアの関係にも研究対象を拡大して発展させ、その成果を国際的に発信することができた。
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