2022 Fiscal Year Annual Research Report
The Impact of Huguenot Networks in the Atlantic World in the late 18th and 19th centuries
Project/Area Number |
17K03163
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西川 杉子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (80324888)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ネットワーク / ユグノー / 記憶 / ヴァルド派 / 18世紀 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は英国図書館(ロンドン)、ランベス宮殿文書館(ロンドン)、英国公文書館(キュー)、オックスフォード大学ボードリアン図書館(オックスフォード)、サマセット州文書館・地域研究センター(トーントン)で調査を行うことができた。そして、海外福音伝道協会(SPG)におけるヴァルド派委員会・デプレツェン委員会など国外との連携を持った諸活動と、ユグノー亡命者の子孫らによって設立された救貧委員会・ユグノー・ホスピタルの人脈が重なり合うことを確認することができた。さらにそれらの人脈が、18世紀半ばでも17世紀のイングランドによる大陸プロテスタントの救援活動の記憶を保持しており、ジョージ3世治世期の救援活動の基礎となったことを明らかにした。 特に、東地中海地域(レヴァント)の商人と外交官のネットワークが、ユグノーの記憶を保持していたことは新しい発見であった。彼らの交流の場として、イスタンブルの西ヨーロッパ外交官社会の重要性も確認することができた。 これらについては、2023年2月12日に東京大学本郷キャンパスで開催された「近世ユーラシアの宗教アイデンティティ:グローバル多元主義と地域大国主義の相克」研究会において、『同胞・異邦人・法王教徒;近世イングランドのプロテスタント・インタナショナル』という題で研究報告を行った。現在、刊行を目指して執筆中である。
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Research Products
(1 results)