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2020 Fiscal Year Annual Research Report

Multiple communication and political order in Late Medieval Germany

Research Project

Project/Area Number 17K03171
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

服部 良久  京都大学, 文学研究科, 名誉教授 (80122365)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2021-03-31
Keywordsドイツ / 政治秩序 / コミュニケーション / アソシエーション / 同盟 / ネットワーク / 公論 / 公共圏
Outline of Annual Research Achievements

本来の最終年度2019年度には、多元的なコミュニケーションの諸相の考察により、中世後期ドイツ(神聖ローマ帝国)の政治秩序を明らかにするという課題について、制度的国民国家の発展モデルを参照基準とせず、ある種の慣行、価値、規範を共有する政治エリートの絶えざるコミュニケーション行為のプロセスにより、政治秩序の「構造化」が進捗する過程を明らかにすることができた。こうした政治的コミュニケーションを包括的にアソシエイティブな政治文化に基づく国制として明らかにするために、最終年度には中世後期のドイツを特徴づける都市、諸侯、貴族のローカル、インターローカルな同盟関係の展開に焦点を当た。そしてドイツの政治秩序(国制)を可変的なネットワーク(同盟・連合・友好)の接合と重層化の過程と理解することにより、固有の構造化の特質を示した。
2019年度に予定していたイタリア(シチリア、ナポリ王国、ヴェネチア等)に及ぶ帝国の政治的コミュニケーションの解明のための南イタリア文書館調査を感染拡大のため2020年度に繰り越したが、同じ事情により断念せざるを得なかった。そこで研究文献と刊行史料によって13世紀の皇帝フリードリヒ2世時代のロンバルディア都市同盟及び教皇との争い~15世紀の皇帝ジギスムントの下でのコンスタンツ公会議時代に至る、ドイツの枠を越えるコミュニケーションの展開を考察し、そこからあらたに、このような全欧的な、またカトリック世界の秩序にかかわる争いとその収拾の試みの中で、聖俗権威による公開書簡、「公衆」向けプロパガンダ、「うわさ」、回状等の多様なメディアにより「公論」が生まれ、権力もこれを考慮、利用したこと、いわば「公共圏」が政治的コミュニケーションの構成要素として現れていたことが明らかになった。「公論」「公共圏」をふまえたコミュニケーションと秩序の関係は、今後の研究課題である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Presentation] 「西欧中世史における『公共性』論の射程」2020

    • Author(s)
      服部良久
    • Organizer
      鷹陵史学会
    • Invited

URL: 

Published: 2021-12-27  

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