2019 Fiscal Year Research-status Report
Jurisdiction and regions in early-modern german empire
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17K03175
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
渋谷 聡 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 教授 (30273915)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 帝国裁判所 / 帝国最高法院 / 陪席判事 / 帝国クライス |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度には、研究成果の公表として、国際学会「身分制代議制議会史国際委員会」の年次大会(2019年7月17日:アンドラ公国)において、”Trials and regions in early-modern German empire. The structure of presentation of associate judges of the imperial supreme court in 18th century ”(「近世ドイツ帝国における裁判と諸地域ー18世紀帝国最高法院と陪席判事推挙の構造」)と題して、英語で口頭発表を行うことができた。そこで明らかにしたのは、次の点である。 本研究課題では、帝国最高法院とその裁判官(陪席判事)を対象としている。本報告では、18世紀における陪席判事の推挙において、2つの原則が存在したことを明らかにした、第1に、カトリックとプロテスタントの双方からほぼ同數の判事が選出されるべき、とする「宗派同等」の原則。第2に、推挙者が皇帝や有力諸侯など有力身分による推挙と地域団体である、10の帝国クライスから推挙されるとする、連邦制的な原則。この2点である。 本報告では、近世ドイツにおける裁判官(陪席判事)の推挙の仕組みを明らかにすることで、権威的でかつ連邦的な神聖ローマ帝国の国制を照射しうることについて、欧米の研究者と意見交換することができた点に、重要性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本来ならば、2019年度で「研究成果報告書」を刊行することで、本研究課題を終了すべきところであったが、2019年の年度末に、本務校における新大学院の課程認定に関わる提出書類作成の業務と重なってしまい、そちらを優先せざるを得なかったため、「研究成果報告書」の刊行に至らず、補助事業期間の1年延長を申請し、承認されている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度には、本来なら前年度に刊行すべきであった、「研究成果報告書」をより良いものとして刊行すべく、補足的な調査と合わせて、これを追求する。
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Causes of Carryover |
本来は、2019年度で「研究成果報告書」を刊行して、本研究課題を終える予定であったが、本務校における新大学院の設置に関わる、課程認定の書類作成のためこちらを優先せざるをえず、報告書の作成を行うことができなかったため。このため、補助事業期間の延長を申請し、これを承認された。 次年度には、より良い「研究成果報告書」の刊行を実現すべく、補助的な検討も合わせて行う。
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Research Products
(2 results)