2017 Fiscal Year Research-status Report
US Refugee Policy and Social Support for the Hungarian Refugee Students after the Revolution of 1956
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17K03183
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
山本 明代 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (70363950)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 難民政策 / 難民支援 / アメリカ合衆国 / 1956年のハンガリー革命 |
Outline of Annual Research Achievements |
H29年度はアメリカ合衆国ワシントンD.C.の国立公文書館と議会図書館とスタンフォード大学のフーヴァー研究所において資料調査を行った。国立公文書館では、国務省のInternational Cooperation Administrationの1956年ハンガリー難民に関する史料を閲覧、収集することができた。特にフーヴァー研究所のthe United States National Student Association International Commission Records, 1946-1968の資料は本研究にとって非常に有益な資料であり、アメリカ合衆国の全国学生協会とハンガリー難民学生との関係性を解明できる可能性が高いことがわかったのは大きな収穫であった。この文書史料から、アメリカの各大学における1956年のハンガリー革命に対する反応とハンガリー人難民学生に対する熱狂的な支援の様子、ハンガリー難民学生のアメリカやアジアでの活動の詳細を知ることができそうである。 前年度に執筆した1956年ハンガリー革命の難民に対するアメリカ合衆国の政策に関する英語論文を発表することができた。この論文ではアメリカ合衆国政府が国内の各種団体・組織と連携し難民の受け入れを行ったこと、その組織化の過程を明らかにした。加えて大統領難民救済委員会に寄せられた難民支援ボランティアを志願する市民からの書簡を分析し、市民による難民支援には第二次世界大戦時の経験や記憶、国際的な連帯、社会参加など多様な意図や目的があったことを示した。この論文によって、本研究の目的であるアイゼンハワー政権の難民政策における難民学生の位置づけと難民への社会的支援のしくみの一端を解明することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
アメリカ合衆国での調査によって本研究の根幹に関わる資料の一部を調査・収集することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
アメリカ合衆国での調査によって収集した資料の分析を進め、研究発表や論文執筆につなげる。
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Causes of Carryover |
アメリカ合衆国での調査を当初の計画よりも短期間となってしまったことにより、旅費を充分に使用することができなかったためである。H30年度には前年度に予定していた調査も行う予定である。
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Research Products
(2 results)