2020 Fiscal Year Research-status Report
US Refugee Policy and Social Support for the Hungarian Refugee Students after the Revolution of 1956
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17K03183
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
山本 明代 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (70363950)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 難民政策 / 難民支援 / 1956年のハンガリー革命 / アメリカ合衆国 / ハンガリー救援会 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度には予定していた海外での調査ができなかったため、日本における1956年のハンガリー革命の難民支援について国内での文献調査とその分析を中心に進めた。1957年に自民党の政治家芦田均らが中心になって結成した日本ハンガリー救援会の活動について、芦田均の著述や日記、ハンガリー救援会が発行した各パンフレット、報道記事等を収集して分析した。パンフレットの一つ『ハンガリーは死なず』(日本ハンガリー救援会、1957年)には、1957年1月に田村隆治、今岡十一郎、小山いと子の日本ハンガリー救援会メンバーがウィーンの難民キャンプとハンガリーとの国境地帯を訪問した記録とともに、10人の「ハンガリー亡命者」の手記が掲載されており、救援会の活動以外にもハンガリー難民による日本や世界に向けたメッセージを知ることができる。今後は、救援会によるハンガリー難民への支援活動と組織化について調査を進めていきたい。また、当時の日本の文壇でのハンガリー革命に対するソ連による介入の是非を問う安部公房、埴谷雄高、大西巨人、学者江口朴郎、竹内好、丸山真男らの論争に関する資料を収集して分析した。現在、これらの研究成果について論文を執筆している。その他、日韓・韓日歴史家会議(オンライン)の「越境をめぐる歴史」に討論者として参加し、人の移動の歴史研究とトランスナショナルマイグレーション研究の新動向に関する黄惠聖先生の報告へのコメントを行い、意見交換の機会を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度に予定していたアメリカ合衆国とハンガリーでの調査が新型コロナの影響で実現できなかったため、研究に必要な史資料を収集することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症の拡大によって、2021年度の夏にも海外調査がむずかしい見込みであるため、すでに収集した史資料を再度見直すなどして、残りのテーマについても取り組み、論文にまとめ予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大のため、予定していた海外出張ができなかったため、旅費を使用することができなかった。
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Research Products
(2 results)