2020 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on the History and Memory of an Ethnic Group Living in the Early Modern Russian Empire
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17K03192
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
豊川 浩一 明治大学, 文学部, 専任教授 (30172208)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | プガチョーフ叛乱 / 近世ロシア社会 / ヨーロッパ史 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年、世界的に流行した新型コロナ・ウィルス感染症拡大のため、研究終了の延長を願い出て許可された。そのため、日本の研究会に参加してそのコメンテーターを務め、研究を深めることができた。加えて、日本の学会誌に、2019年6月に明治大学に招聘したニコライ・ペトルヒンツェフ教授のシンポジウムでの講演を土台にした論文を翻訳して刊行することができた。 まず日本の研究会への参加とコメントについてである。2020年10月31日、早稲田大学ロシア東欧研究所主催の研究会で、越村勲「義賊の原初形態と近世帝国の成立:ウスコク―モルラク、ハドゥクそして・・・~拙著USKOK AND WAKO/Uskok i Wako (Zagreb, 2020) より」に、コメンテータとして報告内容に対して発言した。また越村勲教授とのやり取りによって、クロアチアの研究状況を知ることができた。さらに、私のプガチョーフ叛乱に関する研究を土台に、クロアチアの研究者との意見交換へと向かう道が開かれ、今後の研究の発展につながった。 また、2019年6月22日に私が組織したシンポジウムでのペトルヒンツェフ教授の基調講演を基礎にした論文を刊行した。それが「二つの近代化された軍事改革とロシア社会への影響」(『駿台史学』171号、2021年2月)である。これはシンポジウムで好評を博した講演であり、また近世ロシア社会を理解する上でも重要である。それゆえ、日本におけるロシア史関係者以外の方々にも周知するために、教授に新たに書き直してもらった論文を送ってもらい、それを翻訳したものである。この翻訳論文に対して、すでにロシア史研究者のみでなく、ドイツ史研究者からも好意的な評価およびヨーロッパ史においても共通する重要な論点の提示が多くみられるとの指摘をいただいた。
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