2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K03193
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
青谷 秀紀 明治大学, 文学部, 専任准教授 (80403210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
轟木 広太郎 ノートルダム清心女子大学, 文学部, 准教授 (60399061)
図師 宣忠 近畿大学, 文芸学部, 准教授 (60515352)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 中世後期 / 贖罪 / 規律 / 権力 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度は、概ね当初の計画通りに、図師が13世紀、轟木が14世紀、青谷が15世紀を中心とする時期のフランス王国とその周辺における贖罪的実践、規律、そして権力の関係について調査と報告を行った。青谷と図師は、国内の研究機関を中心に文献を調査すると同時に、それぞれ夏期と春期に国外の図書館・文書館で未刊行史料・貴重図書の調査を実施した。海外に長期滞在中であった轟木は、イギリスとフランスを中心に文献調査や学会、研究会を通じての情報収集に取り組んだ。研究会については、9月に青谷が「中世後期ネーデルラントにおける学知・信仰・権力」と題し、ブルゴーニュ公やリエージュ司教の宮廷、さらにはネーデルラント都市において信仰と政治、占星術的実践が取り持つ関係について報告を行った。12月の研究会では、轟木が「後期カペー諸王による君主統治-正義・平和・救済-」とのタイトルで、近世までを見通した君主統治論について今後の研究の展望を提示した。また、図師は、研究会での報告・議論を経て、2018年3月に日仏歴史学会で異端審問と南フランス社会に関する報告を行った。その他、とくに報告者を定めずに今後の研究方針について話し合うためにも研究会を開催した。なお、上記のように17年度は轟木が海外に滞在していたため、一時帰国中に直接対面するほか、ウェブ上での研究会も実施したことを申し添えておく。さらに、青谷は8月に、図師は2月にケンブリッジで轟木と打ち合わせ及び研究の進捗状況の報告を行った。これらの機会に、ケンブリッジ大学の研究者とも交流を行い、本研究に関する協力の約束を取り付けることができたのは、今後のプロジェクトの発展にも大きな意味を持つだろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概要にも記した通り、複数回の研究会を開くことができたほか、青谷、図師はそれぞれ短期のベルギー、フランス、イギリスでの現地調査によって、そして轟木はイギリス及びフランスにおける長期滞在中の調査によって、多くの研究文献及び未刊行史料を収集することができた。これらを通じて、16年度に同じメンバー構成で、本プロジェクトの基盤作りのために推進した明治大学新領域創成型研究プロジェクトの成果を、ある程度発展させることができたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度も、17年度同様に個人による研究調査とメンバー全員による研究会を軸にプロジェクトを推進したい。概要に記したように、轟木の海外長期滞在を通じてイギリスの研究者との協力関係が生まれつつあるが、本年度は青谷がベルギーで、図師がフランスで同様な協力関係を構築することができないか模索したい。その点とも関連して、最終年度に予定している国内もしくは国外での研究集会の開催に向け、準備に取りかかりたいとも考えている。
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Causes of Carryover |
本年度は、事前の計画よりも出張回数が少なかったため、次年度使用額が生じた。来年度に増加が予想される出張費に充てたいと考えている。
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Research Products
(5 results)