2021 Fiscal Year Annual Research Report
Penitence, Discipline, and Power in Late Medieval Europe
Project/Area Number |
17K03193
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
青谷 秀紀 明治大学, 文学部, 教授 (80403210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
轟木 広太郎 ノートルダム清心女子大学, 文学部, 准教授 (60399061)
図師 宣忠 近畿大学, 文芸学部, 准教授 (60515352)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 堤防の贖宥 / 国王保護 / フランス王権 / モンタイユー / 異端審問 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度も、対面式での研究会を開催することはできなかったが、オンラインで数回にわたり、メンバーの研究報告及び研究成果のとりまとめに関する討議を行った。それらに基づいて、年度末に各自の論説を含む研究報告書を刊行した。ここでは、研究代表者の青谷が、1515年のフランドル伯領における政治、経済、宗教の動向を検証し、ブルゴーニュ=ハプスブルク期ネーデルラントにおける国家形成と宗教政策の密接な関係を明らかにしている。研究分担者の轟木は、12世紀から14世紀までのフランスにおける国王保護について考察を加え、当事者間の争いに身を投じ被保護者の側に立つ徳高き君主から、もはや紛争に身を投ずることはなく叛逆者と司法を通じて向き合う君主へという、王権の性格の変化を論じた。同じく研究分担者の図師は、E・ル=ロワ=ラデュリ『モンタイユー』に対する評価を確認しつつ、この社会史・ミクロストリアを代表する名著が依拠するジャック・フルニエの異端審問記録を、当時の権力関係のなかで、そして他の審問記録との比較を通じて読み直していく可能性を指摘している。なお、報告書には、青谷が2019年度の在外研究中にルーヴェン・カトリック大学で行った講演のテキストも収録した。 本プロジェクトは、感染症の流行などの諸事情から研究期間を延長し、通常とは異なる状況のもとで総括を行うことになったものの、以上のような形で報告書をまとめ、さらなる研究に向けての足場を構築することができたと考えている。
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Research Products
(7 results)