2017 Fiscal Year Research-status Report
The Union of England and Scotland (1707) revisited - a new historical record
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17K03194
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
松園 伸 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (60239019)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 1707年イングランド・スコットランド合同 / 国家連合 / スコットランド貴族 / スコットランド議会 / スコットランド法曹 |
Outline of Annual Research Achievements |
2007年のイングランド・スコットランド合同(英蘇合同)300周年、そして2014年のスコットランド独立投票は、英蘇合同にいたる政治過程について非常に多くの学問的な業績を英国において生み出しており、英国史研究の一つの焦点になった観がある。本研究ではまずこうした諸業績、研究動向を的確に把握することに努め、それは日本18世紀学会大会における報告に結実している。研究代表者はこの成果をさらに発展させて、日本18世紀学会における学術論文として発表したい。 一方、研究代表者による新発見史料解読、編集を伴う1707年の英蘇合同研究については、1688/89年名誉革命期のスコットランド議会にまでさかのぼって考察をすすめ、議事記録の詳細な分析に基づいて、合同実現に向かっていったスコットランド議会議員の行動について考察した。これは森原隆編「ヨーロッパの政治文化史」中の論文に現れている。 スコットランド議会の研究は、その副産物として改めて議会の議院手続についての関心を抱かせている。この点は「早稲田大学大学院文学研究科紀要」の中で論文としてまとめられている。 研究代表者は英蘇合同以降のスコットランド政治についても強い関心を抱いている。そのためスコットランド国立文書館(National Records of Scotland), スコットランド国立図書館、大英図書館、エジンバラ大学等で精力的に文書調査を実施している。これらの成果についてもすでに大部分整理が終了しており、英国の査読雑誌への発表を企画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
英蘇合同に関する一次史料の解読は、一部判読が困難なところ、具体的な内容が把握しがたいところもあるが、英国の研究者の積極的な支援、協力もあり、おおむね順調に活字化を進めている。英蘇合同の政治的な背景については、最新の研究書を調べることで、改めて現研究の独自性を認識している。
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Strategy for Future Research Activity |
① 英蘇合同に関して研究代表者が発見した新史料についてその解読、活字化をさらに進め、その成果は内外の学会における研究報告の中で明らかにするとともに、英国の査読誌への論文投稿を進める。
② ①を踏まえて、これまでイングランド議会、英国議会に比べてあまりにも顧みられてこなかった「スコットランド議会史」を単著としてまとめる計画である。そして本科研費による学術研究のまとめとしたい。
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Causes of Carryover |
スコットランド史関連の史料購入のために充当する予定であった物品費等が、当該図書を図書館が購入したため、必要なくなった。この次年度使用額は、国内外での学会報告等に充てる予定である。
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Research Products
(3 results)