2018 Fiscal Year Research-status Report
The Union of England and Scotland (1707) revisited - a new historical record
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17K03194
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
松園 伸 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (60239019)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | スコットランド / イングランド / 国家連合 / Union / ブリテン議会 |
Outline of Annual Research Achievements |
1 イングランド・スコットランド間の国家連合(1707年)について研究を続けた。使用した一次史料は、公刊された議会史料、とくに討論集に加えて、研究者がロンドン、エジンバラ等で収集した未刊行史料に拠っている。また1707年まで存在したスコットランド議会議員の社会的出自などについても分析した。 2 1707年イングランド・スコットランド合同がもたらした諸結果についても研究を続けている。とくにスコットランド北部高地地方(Highland)貴族、有力政治家が組織的に行った反政府的な活動について、彼らが18世紀前半の議会下院総選挙で示した行動などをもとに考察している。 3 1746年のジャコバイト反乱終結は、スコットランド政治はもちろん、この地における経済、社会、文化にも大きな影響を与えた。スコットランド司法の改革、農地制度の抜本的改革、ハイランド文化への抑圧などロンドン政府が矢継ぎ早に実施した諸政策について、主にマニュスクリプト史料に依拠しながら研究を進めた。 4 これまでイングランド議会、グレート・ブリテン議会については、英国においても日本においても様々な研究が行われ、大きな実績を上げてきた。それに比して1707年の国家連合までスコットランド、エジンバラに存在したスコットランド議会の実態については僅かしか知られていない。この議会での討論、法律制定はもちろん、成文、不文の議院規則などを活用して、中世以来のスコットランド議会の歴史をまとめている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度計画していた現地スコットランドへの史料調査は、家族の急病等のために実行できなかったが、19年度に実行する予定である。一方これまで収集した一次史料の読み込み、分析を十分に行うことができ、その成果の一部を論文として発表できた。
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Strategy for Future Research Activity |
1 これまで収集した1707年イングランド・スコットランド間の国家連合(Union) についての史料研究に基づいて、Parliamentary History, Scottish Historical Review など英国の査読雑誌に投稿する。 2 これまでほとんど体系的な研究が行われてこなかった、スコットランド議会(1707年まで存在した議会のこと。現在の自治議会とは異なる)について著作をまとめる。
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Causes of Carryover |
2018年度において、史料調査、学会発表のため英国への渡航を予定していたが、家族の急病のため実行できなかった。これについては2019年度に実施する。
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