2020 Fiscal Year Research-status Report
Russian tea trade and global market: Analysis of accounting books
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17K03198
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
森永 貴子 立命館大学, 文学部, 教授 (00466434)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 茶 / 商人 / 露清貿易 / モスクワ / ロンドン / 会計文書 / 自由貿易 / 漢口 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度末から2020年度に計画した海外出張が不可能となり、予定していたモスクワのロシア国立博物館手稿課(OPI GIM)、ロシア連邦文書館(GARF)、ロシア国立軍事文書館(RGVIA)、歴史公共図書館(GPIB)の調査は取りやめとなった。そのため2020年度は国内の資料整理、文献・論文の取り寄せなどに専念した。また近年開設された電子媒体による学術情報提供サイトから論文検索やダウンロードが可能な状況になってきており、ロシアの最新論文のチェックなども進めている。古文書などの1次資料調査にはコロナによる悪影響がかなりあるものの、インターネットを通じた情報収集手段が広がってきていることはプラスの部分もあった。 研究成果としては2020年度末に島根県立大学の研究プロジェクトの成果論集に論文を1件提出し、2021年度にその刊行と中国語・韓国語への翻訳が進められる予定である。 また2020年度は本課題に関連して出版を計画していたシリーズ本の原稿執筆と、海外の学術雑誌への論文投稿を計画していたが、諸般の事情により提出できなかった。他にも課題テーマに関わる一般誌への掲載コラムがあるが、これは原稿提出したものの、コロナ禍により出版社が2020年度の刊行を見合わせた。こうした状況から、2020年度に提出ができなかった文献・論文については2021年度中の原稿提出を予定している。全体に2020年度は成果の準備作業が中心で、具体的業績を上げることはできなかったが、最終成果の目途はほぼ固まっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度末に計画した海外調査ができなくなったため、調査予定の大幅な変更に迫られた。特に2019年秋に行ったロシア連邦文書館(GARF)の調査に対して、発注したコピーが届かなかったことがあるためモスクワへの再調査を予定していたが、これが不可能になったことで未入手の資料については諦めざるをえなくなった。しかしその他については2019年までに入手した資料を整理し、電子媒体なども通じていくつかの情報が得られたので、成果の刊行準備に専念した。 このうち、年度末に島根県立大学北東アジア研究プロジェクト(人間文化研究機構共同プロジェクト NIHU)の最終成果物として、過去に提出した論文に加筆修正したものを提出した。これは2021年度内に論集の刊行と中国語・韓国語への翻訳が進められる予定であるため、2020年度の業績には掲載しない。 またこれまでの研究成果として準備してきた単著の刊行は現在滞っており、2021年度に提出・刊行を目指す予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度に計画していた成果物の刊行を目指す。2019年度末と2020年度に計画した海外調査が2021年度も実現できそうにないが、これまでの調査で研究テーマに関する一定の資料整理を行っているので、今年度それらを全て刊行できるよう準備を進めていく。
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Causes of Carryover |
海外調査が全て取りやめとなり、科研費の用途は専ら論文・文献の取り寄せ、購入のみとなった。また2020年度に必要としたロシア語の資料は①現地の文書館のみで調査・入手可能な古文書、②現地の図書館のみで調査・入手可能なもの、③インターネットを通じて学術情報サイトからの電子媒体として入手可能なもの、のいずれかが中心である。このためロシアへの出張がない限り①②が発生せず、文献購入費支出は科研費全額に満たなかった。また海外雑誌への投稿を2020年度に断念したため、英語校正費などの支出が発生しなかったことも、残額が生じた理由である。 2021年度は上記残額分から英文校正費、もしくは文献費のいずれかに支出する計画である。
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