2017 Fiscal Year Research-status Report
ドイツ第2帝政及び日独外交史の新視点―カール・アレクサンダーを中心に―
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17K03200
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
星乃 治彦 福岡大学, 人文学部, 教授 (00219172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 宏昌 九州大学, 人文科学研究院, 講師 (00790669)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | カール・アレクサンダー / 日独関係史 / 外交史 / 連邦制 / クィア / 明治国家 / 文化史 / 皇室外交 |
Outline of Annual Research Achievements |
準備作業としてすでに2016年11月22日から12月8日まで「Weimar-Tokyoと第2帝政期のイエナ大学」という展示会をイエナ大学で開催した。それをベースに、初年度である平成29年度は、ドイツ側研究者との交流と研究基盤の整備を中心に、研究を遂行した。 まず最大の成果として、イエナ大学、ヴァイマル・クラシック財団(Klassik Stiftung Weimar)、テューリンゲン州立文書館による展示「菊と鷹:カール・アレクサンダーと日本ーヴァイマル、イエナ、そして東京(Chrysantheme und Falke. Carl Alexander und Japan - Weimar, Jena und Tokyo)」に対し、翻訳を中心に日本側からの協力をおこなった点が挙げられる。研究代表者の星乃は展示全体のコンセプトと説明文の作成にも携わり、研究協力者の今井は浮世絵版画のドイツ語訳をおこなった。展示自体はヴァイマルの城博物館にて、平成30年5月4日から7月1日まで開催予定である。 また研究基盤の整備に関しては、ドイツのイエナ大学文書館(Universitaetsarchiv Jena)、ベルリン州立図書館(Staatsbibliothek zu Berlin)、東京の国立公文書館、国立国会図書館を中心として、ザクセン・ヴァイマル・アイゼナッハ大公国と明治期日本のあいだで展開された文化外交に関する史料の調査・収集にあたったほか、第二帝政期ドイツや明治期日本の文化外交に関する研究書を購入し、先行研究の把握と整理に務めた。 研究成果に関しては、日本においても『西日本新聞』文化面の企画「近代百五十年」シリーズにおいて、平成30年度中に一般向けに公開される予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ドイツのイエナ大学文書館、ベルリン州立図書館、東京の国立公文書館、国立国会図書館における調査は当初の予定どおり遂行できた。ただし、ザクセン・ヴァイマル・アイゼナッハ大公国と明治期日本との文化交流のおおまかな把握には至ったものの、その立役者である佐野常民(1823-1902)、佐野常実(1859-1880)の親子については、当初予定していた佐賀県の佐野常民記念館での調査をおこなえなかった。 また成果についても、ドイツでの展示の開催への寄与は果たせたものの、研究基盤の整備に予想以上に時間がかかり、論文という形での公表にまでは至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、国内外において史料収集にあたる。また、ドイツ側研究者との交流・知見取得に努める一方、史料読み込みと成果発表を行う。加えて、前年度と同様にイエナ大学の研究者と積極的な意見交換をする。その際、平成30年度は日独交流史の現状を把握するため、短期的(1 週間程度)に同大学から研究者を招聘予定である。また、国内外の研究者を一堂に集めた、国際的なシンポジウムないしセミナーの準備作業にあたる。
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Causes of Carryover |
当初雇用予定であったアルバイトに欠員が生じたため、人件費・謝金の執行をおこなうことができなかった。この残額分については、すでに次年度のアルバイト人員を確保しているため、その人件費にあてる。またドイツの文書館・図書館で史料・文献のカメラ撮影が許可されたことにより、「その他」項目で執行予定であった史料・文献の複写費も執行する必要がなかった。この残額分は次年度において、カメラ撮影が許可されていない機関での史料・文献の収集の費用にあてる。
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