2020 Fiscal Year Research-status Report
A study of the emergence of the microblade technologyin the Paleo-Honshu region through the analysis of fracture wings
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17K03202
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| Research Institution | Hokkaido University |
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Principal Investigator |
高倉 純 北海道大学, 埋蔵文化財調査センター, 助教 (30344534)
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| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 細石刃 / 剥離方法 / 旧石器時代 / 古本州島 / 押圧剥離法 / 動作連鎖 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、技術形態学的に細石刃・細石刃技術を定義したうえで、北・東アジアにおける細石刃技術の出現や普及の地域的多様性とその背景を解明していくための一環として、古本州島での押圧細石刃技術の出現と展開過程を解明していくことを目的としている。本研究では、石器製作技術の変化の重要な指標の一つとして押圧剥離法に着目した。古本州島の細石刃石器群および同時期に展開していたと考えられる石器群を対象として、剥離方法の同定分析を実施し、押圧剥離法の適用を確認していく作業を進めてきた。剥離方法の同定にあたっては、石器の剥離面に観察され、亀裂速度を推定するのに有効な指標であるフラクチャー・ウィングを分析対象とした。
これまで実施してきた分析では、第一に、古本州島で細石刃技術がひろく普及した段階には、押圧剥離法による細石刃剥離が導入されていたことが把握できた。打撃法による細石刃技術が出現した後に、入れ替わるように押圧剥離法による細石刃技術が出現・普及する、シベリアや中国北部、北海道とは異なる推移の展開が確認された。古本州島では技術体系がパッケージとして伝達されていた可能性が示唆される。第二に、押圧剥離法による剥離技術は、細石刃の剥離にのみ限って適用されており、それが細石刃石器群の前後の時期もしくは並行する時期の尖頭器の製作技術には適用されてはいないことが把握された。尖頭器製作に押圧剥離法が適用されるようになるのは、隆起線文土器が出現して以降のことである。細石刃技術と尖頭器技術における剥離方法は、相互に連動するものではないことが明確になった。第三に、押圧細石刃剥離技術が出現する以前の古本州島に散在的に確認できる小型の石刃を剥離する技術は、石材利用や工程の諸特徴から、押圧細石刃技術とは技術体系として相互に関係性を有するものではないことが把握された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型肺炎の感染拡大のために、資料調査が実施できなかったため、必要なデータの分析に取り組めなかった。
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| Strategy for Future Research Activity |
古本州島での押圧細石刃技術が出現・普及する以前に出現していた小型の石刃技術について、剥離方法の同定分析を進めるための分析とデータの解析を実施していく。
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| Causes of Carryover |
新型肺炎の感染拡大のために予定していた資料調査が実施できなかった。繰越した金額については、データ収集にあたって必要となる資料調査の旅費およびそれにかかわる消耗品購入費にあてる。
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