2021 Fiscal Year Annual Research Report
Empirical study of common people's beliefs in Tohoku district
Project/Area Number |
17K03205
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
荒木 志伸 山形大学, 学士課程基盤教育機構, 准教授 (10326754)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 石造文化財 / 立石寺 / 庶民信仰 / 霊場 / 東北地方 |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍が継続する中、立石寺の未調査の石造文化財に関して本年度も現地でのフィールドワークを予定していた。しかし、結果としては断念せざるを得なかった。調査の事前に関係者と数度にわたり相談する機会を設けた。関係者からのアドバイスとしては一様に、無理をすれば調査はできないこともないが、長期的にみれば好ましくない。むしろ、現地からすれば様々な見方が生まれてしまうので、調査は無理をしない方が良いとの貴重なアドバイスも複数受けた。 当時、山形県内では新型コロナ感染症数が少ないものの、かえって若い人や無症状者が媒介するイメージが強い等の状況が続いていた。調査フィールドおよびその関係各所では、文化財を維持し関係する主たる方々は高齢者層である。よって大学における団体調査が必ずしも今は適切でないと判断し、本年度の研究を個人で可能な範囲に転換することとした。 本研究のテーマである東北地方の庶民信仰を理解する上で、重要なファクターとなるような様々な規模の霊場等について、東北地方を中心にいくつかのフィールドについて現地踏査を行った。また、東北各地で博物館等で開催された中近世の庶民信仰に関わる特別展・企画展で、研究テーマに関わる資料収集を積極的におこなった。また、中世以降の岩窟の機能やその実態については鎌倉・逗子や三浦半島の現地調査を実施し、やぐらに関する知見を多数得た。その結果、石造文化財のみでは不明な地域の歴史資料の収集が可能となり、今後の立石寺をはじめとする石造文化財データの解釈の上で、重要な情報を得ることができた。
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