2017 Fiscal Year Research-status Report
先史・古代の河内平野南部地域の古地理復元を通じたジオアーケオロジーの実践研究
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17K03231
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Research Institution | 公益財団法人大阪市博物館協会(大阪文化財研究所、大阪歴史博物館、大阪市立美術館、大阪市立東洋陶磁美術 |
Principal Investigator |
大庭 重信 公益財団法人大阪市博物館協会(大阪文化財研究所、大阪歴史博物館、大阪市立美術館、大阪市立東洋陶磁美術, 大阪文化財研究所, 主任学芸員 (60344355)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ジオアーケオロジー / 集落動態 / 土地利用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、河内平野南部地域を対象に、これまで行われてきた発掘調査の地層データを収集し、これらの柱状図の作成・層序対比をもとに弥生時代から奈良時代までの古地理を復元し、これを用いて当地域での地形発達と人間活動の変遷の関係史を考察する。 研究開始をスタートした平成29年度は、研究協力者とともに柱状図の作成方法や地層の見方など作業に必要な基礎力を身につけることを主眼とした研究集会を計6回行った。このうち9月4日には、発掘調査中の八尾市東弓削遺跡で地層の観察を中心とした現地検討会を行った。また、火山灰で覆われた古墳時代の集落・生産域・牧などの発掘調査が進んでいる群馬県域の遺跡踏査や研究会へ参加し(10/8~、12/1~、1/9~の計3回、のべ4人)、考古学を通じた景観復元のためのノウハウを得るためのフィールド調査を行った。 年度の後半からは具体的な作業に着手し、研究代表者・研究協力者間で分担地域を決め、各人で柱状図の作成に着手し、研究会での検討材料にもしている。このうち、研究代表者の大庭は、全体の1/4に相当する627点の柱状図の作成を終え、今後の作業に一定のめどを立てることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度の前半は、研究協力者を含めたメンバー全体が作業に必要な基礎力を身に着けることに主眼を置き、後半から各人の担当地域を決めて具体的な作業に着手した。特に研究代表者の大庭は全体の1/4に相当する南西部地域(長原遺跡ほか)の地層柱状図の作成をほぼ完了し(627点)、これを用いてGISを活用した地形復元作業のフォーマット作成を研究協力者の別所秀高氏と相談しつつ先行して進めており、今後の作業の見通しを立てることができた。また、当初計画ではメンバーは4名であったが、関心のある研究者2名が新たに研究協力者として参画し、今年度最後の研究会にはオブザーバーを含めて8名が参加し、徐々にではあるが研究活動の輪を広げることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度の前半までに対象地域南半の作業を完了させ、後半には北半の作業に着手し、年度内に基礎作業を完了させることを目標とする。そのために、年度半ばに学会発表を行うなど成果の一部を公開するという目標を立てている(9/5~7の地質学会が候補)。また、今後も関心のある研究者の参画を求めていく。
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Causes of Carryover |
物品費のうち図書等の資料購入が当初予定に満たなかったため
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