2019 Fiscal Year Research-status Report
近代日本の産業地域形成と生活基盤の再編に関する歴史地理学的研究
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17K03237
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
湯澤 規子 法政大学, 人間環境学部, 教授 (20409494)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 近代日本 / 産業地域形成 / 生活基盤 / 織物業 / 女性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、近代日本の経済発展に伴う産業地域形成と、それが経済や社会に与えた影響について、人びとの「生活基盤」に着目して明らかにすることを目的とした。 2019年度は前年度から継続し、2018年度にN.Yuzawa,“Developments in local industry and transformations in daily life: A case study of the shift from cotton to wool in modern-era Bisai, Aichi Prefecture” Japanese Research in Business History,No.35, 2019,pp.53-81.として公表することができた愛知県における織物業史の分析を進めるとともに、アメリカ合衆国織物業史に関する資料収集と分析を進めた。その成果は政治経済学・経済史学会2019年度秋季学術大会における共通論題「生きるについての経済史」で報告した。その内容は論文、湯澤規子「近代産業地域社会における「生活」と「労働」の再編過程-Women’s Educational and Industrial Union, Boston史料による再編主体の日米比較を視野に-」『歴史と経済』(247)、2020年4月、4-17頁として発表した。 産業地域形成が社会や経済に与えた影響について、新たに「菓子」に着目した資料収集に着手した。その中間報告を湯澤規子「日本における製菓業の歴史的展開と地域的特徴:地域の産業と経済という視点から」『人間環境論集』20(1)、2019年12月、19-37頁として発表した。 労働、生活、食、衛生などに関する文献史料収集も継続し、日本と諸外国の比較も含め、近代社会成立期における産業地域形成と生活基盤との関係についての研究の幅を広げることに努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
予定より1年早い2018年度にアメリカ合衆国ボストンにおける現地調査を実施できたことで、2019年度はその成果を学会で報告し、討論を経て、論文として着実に公表することができた。 アメリカ合衆国での収集資料はまだ分析に未着手のものもあり、比較研究のさらなる深化のために、分析を進めている。 また、産業地域形成と生活基盤に関するテーマとして、「食」から発展させた「菓子」という新たな研究対象も見出され、中間報告としての研究ノートも執筆し、それらに関する史料収集もおおむね順調である。 さらに、「衛生」をキーワードとして、近代社会の生活基盤の構造変化を「下肥」の利用と「屎尿」処理との関係から明らかにする研究に着手した。
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Strategy for Future Research Activity |
①近代の産業地域形成と生活基盤との関わりについて「衛生」をキーワードにした研究を論文、あるいは書籍として発表する準備を進める。 ②アメリカ合衆国の織物業史を労働者の生活史・労働史へと展開させ、その成果を論文、あるいは書籍として発表する準備を進める。 ③研究の最終年度にあたる今年度は、「近代日本の産業地域形成と生活基盤の再編に関する歴史地理学的研究」というテーマを総括するような論文、あるいは書籍の執筆に着手する。 ④これまでの研究を英語論文として公表する準備を進める。
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Research Products
(3 results)