2018 Fiscal Year Research-status Report

減少局面に入った日本のごみの発生とその管理に関する地理学的研究：大都市を中心に

Research Project

Project/Area Number	17K03242
Research Institution	Kwansei Gakuin University
Principal Investigator	波江彰彦関西学院大学, 教育学部, 助教 (40573647)
Project Period (FY)	2017-04-01 – 2021-03-31
Keywords	廃棄物 / ごみ / 隠岐の島町 / アンケート
Outline of Annual Research Achievements	本研究の目的は，大都市を主な研究対象地域として，人口減少や経済状況，2000年以降の循環型社会形成を推進する取り組み，地域情勢，個人のライフスタイルの変化など，複合的な要因によって減少してきたと考えられるごみの発生・排出とその管理について，総合的な観点から追究することである。2018年度の研究成果を以下に記す。（１）全国市町村間にみられるごみ排出量の地域差に関する分析　ごみ減少局面に入っている2016年度の全国的動向を把握すべく，全国市町村間にみられる1人1日当たりごみ排出量の地域差に着目し，その地域差に影響する社会経済的要因について分析した。分析の結果，全国市町村を5つの類型に分類し，それぞれの類型における社会経済的要因とごみ排出との関係について明らかにした。この研究成果については，国際学会（The 5th Global Conference on Economic Geography）においてポスター発表を行った。（２）隠岐の島町におけるごみ排出・管理に関する研究　2017年度末に隠岐の島町の住民・事業所を対象としたアンケート調査を実施し，本年度に入ってからその回答結果の集計および分析を行った。その結果として，隠岐の島町の住民や事業所のごみ排出行動・意識や隠岐の島町が抱えるごみ問題などが明らかになった。隠岐の島町役場環境課とも連携しながら，ごみ問題の課題解決に向けた調査研究を進めてきた。その研究成果の一部は，2018年人文地理学会において発表した。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned. Reason ごみ減少局面に入っている日本の全国的動向について詳細に分析することができ，その研究成果を国際学会で発表することができた。また，2017年度から継続して実施してきている隠岐の島町をフィールドとする調査研究についても順調に推移している。
Strategy for Future Research Activity	研究3年目の2019年度においては，第一に，隠岐の島町ならびに隠岐地域（島根県隠岐郡）を対象とした研究をさらに進め，離島地域におけるごみ管理の特徴・課題に関する研究成果を論文として発表する。また，課題解決に向けた研究成果の還元，官民学協働についても積極的に取り組んでいく。第二に，2018年度は隠岐の島町を対象とした調査研究にやや重点が置かれていたため，2019年度は大都市を対象とした調査研究も進めていく。大都市におけるごみの発生・排出局面について深く追究し，2000年度以降のごみ量の減少プロセスやその要因について解明することを目指す。
Causes of Carryover	研究を効率的に進めることができ，出張回数を1回減らすことができた。次年度使用額については，旅費などに充当して有効に使用していく。