2020 Fiscal Year Research-status Report
減少局面に入った日本のごみの発生とその管理に関する地理学的研究:大都市を中心に
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17K03242
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
波江 彰彦 関西学院大学, 教育学部, 准教授 (40573647)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 廃棄物 / ごみ / 環境教育 / 離島 / 隠岐の島町 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,大都市を主な研究対象地域として,人口減少や経済状況,2000年以降の循環型社会形成を推進する取り組み,地域情勢,個人のライフスタイルの変化など,複合的な要因によって減少してきたと考えられるごみの発生・排出とその管理について,総合的な観点から追究することである。2020年度の研究成果を以下に記す。 (1)隠岐の島町におけるごみ排出・管理に関する研究 過年度に引き続き,島根県隠岐の島町をフィールドとして,離島におけるごみ排出・管理,ならびに生活環境に関する調査・研究を進めた。今年度は,隠岐の島町環境課の協力を得ながら同町における3R施策について具体的に検討し,災害廃棄物処理についても考察することができた。また,3R施策の一環として,同町教育委員会とも連携し,小・中学校を対象とする環境教育について検討を進めた。 (2)地理教育における廃棄物問題の取り扱いや課題解決学習に関する研究 2020年度から新学習指導要領に基づくカリキュラムが順次スタートし,高等学校において必履修科目としての「地理総合」が新設されることをふまえ,これまでの地理教育における廃棄物問題の取り扱いについて検討した。また,新カリキュラムにおいて重視されるESD(持続可能な開発のための教育)の観点から,地理教育が廃棄物問題等の課題解決にどのように寄与できるのかについて考察した。 今年度の前半はとくに新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により調査研究活動が大きく制限されたが,オンラインミーティング等も活用して調査や研究発表を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大による緊急事態宣言発出の影響を受け,とくに大都市への出張は自粛せざるを得ず,図書館等の利用も大きく制限されたため,大都市を対象とする調査研究を進めることができなかった。そのため研究には多少の遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間を1年間延長し,2021年度を最終年度として研究に取り組んでいく。オンラインツール等も活用して調査研究を進めつつ,感染防止に最大限留意しながら実地調査も実施する。また,これまでの成果を研究論文にまとめ発表する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に伴う緊急事態宣言の発出等の影響により,予定していた複数の出張を中止したため未使用額が生じた。次年度使用額については,主に国内出張や研究遂行に必要な物品購入,研究論文作成に必要な経費等に使用する計画である。
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