2018 Fiscal Year Research-status Report
経済危機後のアジア巨大都市における都市再生の動向に関する地理学的研究
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17K03253
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
藤塚 吉浩 大阪市立大学, 大学院経営学研究科, 教授 (70274347)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ジェントリフィケーション / 超高層住宅 / 中小工場 / 低未利用地 / 規制緩和 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、2000年以降の東京を対象に、専門・技術,管理職就業者数の増減を指標として、ジェントリフィケーションの変化について検討した。 2000年代の東京では、都心に近接したところで専門・技術,管理職就業者は増加した。1980年代の地価高騰期の投機的な不動産売買により立ち退きが起こり、1990年代半ば以降は低未利用地となっていたことが、その要因であった。中央区では、人口減少対策としての住宅附置からはじまった施策の変遷とともに、規制緩和により多数の超高層住宅を生み出した。港区では、新たな地下鉄駅周辺への共同住宅の開発とともに、中小工場の集積地域における超高層のオフィスビルと共同住宅の開発によりグローバリゼーションが進行し、ジェントリフィケーションの発現に影響した。 次に、専門・技術,管理職就業者が2010年から2015年に増加した町丁について検討した。2000年代に増加が顕著であった、中央区や港区にはいくつかみられるが、都心周辺の文京区や豊島区や品川区や目黒区に多く、発現地域は変化した。このように都心から離れた地区において専門・技術,管理職就業者の増加は顕著であり、その要因を検討するとともに、影響についても考察した。 また、ソウル市の小地域統計の調査結果を分析して、世帯数の顕著に増加した地区が、鍾路区においてみられた。2018年9月と2019年3月には、世帯数の増加した地区と、過去に踏査した地区において現地調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東京の2010~2015年の人口動向の変化について現地調査を行い、その研究成果については、2018年8月のIGUケベック大会において発表するとともに、2018年9月の日本地理学会秋季学術大会において発表した。 2018年9月と2019年3月には、小地域統計を用いてソウルのインナーシティにおける人口の質的構成の変化について計量的分析を行った結果から、特に再生動向の顕著な地区に関して現地調査を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度のソウルの調査結果については、2019年秋の地理学会において、報告する予定である。 2019年度は、香港の衰退地区、特に、空洞化したインナーシティについて、小地域統計によって人口の質的構成の変化について計量的分析を行う。その分析結果から、特に再生動向の顕著な地区に関して現地調査を行い、近年の変化に伴い発生した都市問題について検討する。
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Research Products
(5 results)