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2021 Fiscal Year Research-status Report

進化経済地理学による産業地域のレジリエンス分析:企業城下町の国際比較を通じて

Research Project

Project/Area Number 17K03254
Research InstitutionOita University

Principal Investigator

外枦保 大介  大分大学, 経済学部, 准教授 (70581669)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2023-03-31
Keywords進化経済地理学 / 地域レジリエンス / 企業城下町
Outline of Annual Research Achievements

2010 年代において、欧米の進化経済地理学では、「レジリエンス」をめぐる活発な議論が展開されている。「レジリエンス」とは、自己組織性をもった生態系の安定性の議論をベースとして、グローバルな経済環境の変化に伴って生じる不確実性に直面をせざるを得ない状況の中で地域が衝撃から回復し立ち直る過程であるとされる。この「レジリエンス」を分析するためには、分析手法の精緻化が喫緊の課題となっている。本研究では、第1に、方法論的枠組構築のために、進化経済地理学の理論的成果とその課題を明らかにする。また、第2に、国内外の企業城下町におけるフィールドワークによって、産業地域のレジリエンスに関わる技術的・関係的要因を分析する。
令和3年度は、以下のように研究を進展させた。
第1に、過去に実施したスペインのビルバオでの調査をもとに、研究成果を取りまとめて論文に執筆した。この論文では、スペインの旧産業地域ビルバオにおいて、縮退過程の産業構造転換の進展や2010年前後の不況期におけるレジリエンスの作用について検証した。ビルバオでは、基幹産業であった重工業の衰退後、都市再開発が進められ、サービス経済化が進展した。また、州政府を中心にイノベーション創出に向けた取り組みも展開され、既存製造業以外への拡張・成長を目指す多様化戦略を促進した。2010年前後の不況により、ビルバオでは基礎素材型工業を中心に雇用状況が悪化したものの、これまで進んできたサービス経済化やハイテクを中心とした加工組立型工業への製造業の高度化は、悪影響を一定程度抑えることに寄与した。
第2に、理論研究においても、進化経済地理学やレジリエンスに関する論文精読を進めた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

全般的に、論文の執筆が進み、概ね順調に進展した。
ただし、国外でのフィールド調査を実施予定していたものの、新型コロナウィルスの影響で実施できなかった。

Strategy for Future Research Activity

令和4年度は、地域レジリエンスに関する研究成果を公表する予定である。
国外でのフィールド調査を計画しているものの、新型コロナウィルスの影響で実施可能性は不透明であり、注意を払いたい。

Causes of Carryover

令和3年度は新型コロナウィルスの影響で、国外でのフィールド調査が実施できなかったため、次年度に繰り越すことになった。国外でのフィールド調査を計画
しているものの、新型コロナウィルスの影響で実施可能性は不透明であり、注意を払いたい。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] 旧産業地域ビルバオにおける縮退とレジリエンス―都市再開発、イノベーション政策―2022

    • Author(s)
      外枦保大介
    • Journal Title

      史林

      Volume: 105(1) Pages: 211-243

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2022-12-28  

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