• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2018 Fiscal Year Research-status Report

民間地図作製史からみたフロンティア像の日露比較研究

Research Project

Project/Area Number 17K03257
Research InstitutionHosei University

Principal Investigator

米家 志乃布  法政大学, 文学部, 教授 (30272735)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2021-03-31
Keywordsロシア / 日本 / フロンティア / 地域像 / サンクトペテルブルク / 江戸東京 / 古地図 / 都市図
Outline of Annual Research Achievements

ロシアの地図上におけるフロンティアを論じるうえでは、シベリアや極東といった東方を考えるのみでは不十分であり、ロシア帝国の版図拡大の状況を踏まえると、西方(ヨーロッパ側)は重要な位置にあるため、その地図作製状況も把握しておく必要があった。そこで平成30年度は、当初の研究計画であるサンクトペテルブルクでの地図調査の計画を大幅に変更し、ヨーロッパ方面の地域像にも目を向けていくため、バルト三国などのロシア帝国の西側の縁辺部において史資料の調査を行った。そこで、各国の首都(タリン・リーガ・ビリニュス)を描いた都市図を、各国の国立図書館地図部および大型書店や古本屋などから収集し、ロシア帝国の領土だった時代にどのように都市が表象されたのか、を検討した。
一方、日本での地図の調査研究は、近代日本の首都(帝都)である東京での地図作製や出版状況を調査した。そこでは、日本における官製地図や民間地図の作製の全体像を把握することに努めた。特に民間地図に関しては本学の江戸東京研究センターとの研究活動ともリンクさせ、「都市図から見る東京名所」をまとめた研究報告のなかで、民間の主に都市図に注目し、東京図の刊行点数は日本最多であり、首都を描いて普及させるうえで官製地図よりも出版地図が重要であることを明らかにした。これらを踏まえて、フロンティアだけでなく、首都を対象としたロシア帝国による都市表象と帝国日本による都市表象の異質性・共通性にも今後は考察を広げることを検討したい。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成30年度までに、モスクワ・サンクトペテルブルクでの地図調査を終了する予定だったが、サンクトペテルブルクでの調査は次年度に延期した。その代わり、ロシアの西方フロンティアであるバルト三国での地図調査を行うことができ、そこで、ロシア時代における都市図の作製が重要であることが判明した。これにより、フロンティアの地図作製だけでなく、首都や中心の地図作製の特徴に考察を広げ、中心から周辺への地域像の変化も視野にいれていくことにする。

Strategy for Future Research Activity

平成31年度は、昨年度行ったバルト三国での地図調査を踏まえて、サンクトペテルブルクでの史料調査を予定している。ロシア帝国の首都からヨーロッパの西方・南方・東方がどのように把握され、地図上に表象されてきたのかを調査し、特にロシアとエストニアの国境地帯へのフィールド調査も研究計画に加える予定である。さらに、新たに都市図の日露比較を試みる予定であり、ロシア国内の都市図の調査も行う。一方、日本での地図調査については、引き続き、日本の首都である東京における地図資料の調査に努める。

  • Research Products

    (1 results)

All 2019

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 絵地図における<北方>へのまなざしー「みちのく」から「蝦夷地」へ2019

    • Author(s)
      米家志乃布
    • Journal Title

      国際日本学

      Volume: 16 Pages: 85-99

URL: 

Published: 2019-12-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi