2017 Fiscal Year Research-status Report
A Study of the Genesis of "Philippine English" and Its Transnational Development
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17K03272
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鈴木 伸隆 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (10323221)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 韓国系英語学校 / ライフヒストリー / ジュニア向け教育 / 留学エージェント |
Outline of Annual Research Achievements |
バギオ市での現地調査は平成29年8月と平成30年の3月、セブ市での現地調査は平成30年2月から3月にかけて、それぞれ行った。その調査研究から得られた成果は以下の通りである。1)バギオ市には日系も含めて英語学校は100校近く存在すると言われる。主要な英語学校はバギオ英語学校協会(通称BESA)と呼ばれる団体構成員でもある。同団体構成員は、バギオブランド向上、海外での留学フェアー共同開催(ベトナムや日本)、マニラ国際空港での学生共同ピックアップサービス実施など、学校間の垣根を越えた連携を強化している。初年度の調査では、このBESAを構成する英語学校の韓国人オーナー6名にインタビューした。英語学校成立に至る経緯、それ以前の英語学校ビジネス経験などを確認した。現存する最古と言われる学校(1996年設立)を除くと、他の学校はすべて2000年初旬から中旬にかけて学校を設立している、という共通性が明らかになった。この時期は1997年の韓国IMF危機により、同国が深刻な経済状況に直面し、経済や社会のグローバル化が加速化した時期と符号する。2)オーナーの学校設立の経緯は、大きく2つに分かれる。1つはフィリピン留学組、これは現在30歳代の若いオーナーに見られる。もう1つはバギオの学校で以前マネージャー等で勤務する経験があり、そこから起業したパターンである。3)設立当初、ジュニアー(小学生から中学生、6-7歳から15歳まで)を対象とした英語教育を始めたことなど多くの学校に共通する。これは韓国で大ブームとなったいわゆる「早期留学」に呼応したものであろう。このことから韓国系英語学校は元来、韓国市場のみを対象としていたことが確認できる。4)その他現地滞在中、大学と韓国との国際交流関係、韓国人子弟が多いとされるインタナショナルスクール、韓国親睦協会、移民局、教育省などへのインタビュー調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度に関しては、予想以上の進捗で調査研究が進展した。現地の関係者の協力・支援がその主たる要因である。
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Strategy for Future Research Activity |
調査の2年目にあたる平成30年度は、初年度の得られた情報の精緻化を目指すために、バギオ市への調査を2度(9月と3月)に予定している。より具体的には、以下の2点が調査の大きな課題である。1つは英語教師として勤務するフィリピン人教師へのインタビューである。彼らのライフヒストリーから英語学校ビジネスが彼らに何を付与しているのか、肉迫する。通り一辺倒の聞き書きでは限界があるので、1週間英語研修を生徒として実体験し、そこでラポールを築いて、インタビューに展開できるよう計画中である。もう1つは、英語学校の海外支部(韓国とベトナム・ホーチミンあるいはハノイ)を訪問し、海外展開の実情を把握することにある。初年度の調査から明らかなように、韓国市場は完全に飽和状態で更なる上昇は見込めない。こうした中、熱い視線を集めているのがベトナムである。これ以外にも、英語学校関係者(日本人スタッフ)への面談・インタビューや、国内外の留学フェアへの参加を通して、きめ細かい情報収集に努力する。
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