2019 Fiscal Year Research-status Report
A Study of the Genesis of "Philippine English" and Its Transnational Development
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17K03272
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鈴木 伸隆 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (10323221)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | フィリピン英語 / 韓国系英語学校 / トランスナショナリズム / バギオ / エスニックビジネス |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の最終年度に当たる令和元(2019)年度は、自国民子弟の早期英語教育での成功で自信をつけた韓国系英語学校が、2010年以降、日本人学生獲得に向けた市場の多角化を目指して、教育システムの脱韓国化(食の多国籍化、多言語対応スタッフ配置、柔軟なカリキュラム編成、強制自習の選択制導入といった修学スタイルの多元化)を加速させたことを調査・分析することが目的であった。 その目的を達成すべく、2019年の8月と2020年の2月にそれぞれ1週間にわたって、フィリピン・ルソン島北部の高原都市であるバギオ市で調査を実施した。具体的には、韓国系英語学校関係者(校長や日本人スタッフ)とフィリピン人英語教師双方への聞き取りと行った。とくに英語学校へのマンツーマンでの個別英語研修の実体験を通して、英語教師であるフィリピン人の職業感、職業選択への経緯、英語学校教師歴などに焦点を当てて、計15名の聞き取りを完了することができた。本来ならば20名以上の聞き取りを予定していたが、各教師の聞き取り内容を深堀することへ方針転換した。 研究成果としては、国際学術雑誌である日本オセアニア学会刊行「People and Culture in Oceania」35巻に「The Transnational Growth of Philippine Ethnic Businesses in the Age of Global Mobility: A Case of Korean-Run English Language Schools in Baguio, a Regional Capital, the Philippines」が掲載された。 また2019年12月21日に韓国ソウル市の韓国外国語大学で開催された、韓国日語日文学会冬季国際学術大会シンポジウム「多文化・多言語時代の日本研究ー課題と展望」では、招待発表者として、「ネパール人留学生の急増から見た日本の多文化共生の現状ーネパール国内の日本語学校と日本の高等教育機関の役割に注目してー」を発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画案によれば、上記の研究成果に加えて、その他の学会誌での成果公表できるはずであった。しかし投稿論文の査読による修正箇所が想像以上に多く、かつ調査地での追加調査を必要とする本質的なものであったため、成果発表に若干の遅れが生じた。現在、令和2年度での公表に向けて準備中であり、この遅れは挽回可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
前述の通り、令和元年度が最終年度であったが、研究成果公表に遅れが生じたことから、補助事業期間延長承認申請書を2019年度内(3月)に申し出て、無事に承認された。当初の計画案より遅れたものの、令和2年度での成果公表に向けての研究環境を整えることが出来たと考えている。
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Causes of Carryover |
研究の最終年度に公表予定であった投稿論文の修正が思いのほか長引き、再投稿するのが令和2(2020)年度となることが確実となり、そのために英語論文校閲代として12万円を次年度使用分とした。現在、投稿論文の修正作業は順調に進んでおり、この残額の使用は全く問題ない。
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Research Products
(2 results)