2019 Fiscal Year Research-status Report
中国社会主義体制下モンゴル牧畜民女性の都市化過程における社会進出と生活経験
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17K03274
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
兒玉 香菜子 (児玉香菜子) 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 准教授 (20465933)
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Project Period (FY) |
2018-02-28 – 2022-03-31
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Keywords | モンゴル / オーラルヒストリー / 女性 / 男女平等 / 都市 / 移民 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は中国社会主義集団経済と社会主義市場経済化を経験してきたモンゴル牧畜民女性の都市進出過程と都市での生活経験を、オーラルヒストリーにより具体的に明らかにすることである。 2年目は、初年次におこなったオーラルヒストリーのテープ起こしおよび翻訳作業を継続して実施した。この作業のため、サランゲレル教授を日本に招聘した。その成果の一部「都市在住モンゴル人女性のオーラルヒストリー(2)ジンファー」『千葉大学ユーラシア言語文化論集』(21号、2019年)を発表した。また、サランゲレル教授にも聞き取りをおこなった。 本年度は都市進出に重点をおいた。明らかになった点は以下のとおりである。 まず、都市進出の背景に中国における教育の普及と男女平等思想があることが指摘できる。教育の普及により、自身の進学や就職のチャンスが牧畜地域の出身者にも開けるとともに、結婚による都市進出においても、都市での就職を可能にしている。また、都市進出は中国の戸籍制度とのかかわりからも積極的評価がなされてきたことが明らかになった。他方で、現在と異なり、当時は交通手段及び通信手段がとても劣悪で、進学や就職、結婚などによる都市への移住は生活および家族関係に大きな変化をもたらすものであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
再度聞き取り調査を行うとともに、さらに新規の聞き取り調査を行う予定であった。しかしながら、コロナウィルス等の影響で、実地調査を年度内に実施することが困難になった。
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Strategy for Future Research Activity |
事態が終息次第、現地調査によりさらにオーラルヒストリーの収集に取り組む。収集したオーラルヒストリーの公開にむけたテープ起こしと翻訳作業を進めるとともに、資料の整理分析を進める。
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Causes of Carryover |
コロナウィルス等の影響で、実地調査を年度内に実施することが困難になったため。事態が終息次第、現地調査を行う。
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[Book] 蒙古民俗文化研究2019
Author(s)
薩仁格日勒編・朝格吐編・児玉香菜子
Total Pages
617(13-21)
Publisher
民族出版社
ISBN
9787105157532
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