2020 Fiscal Year Research-status Report
中国社会主義体制下モンゴル牧畜民女性の都市化過程における社会進出と生活経験
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17K03274
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
兒玉 香菜子 (児玉香菜子) 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 准教授 (20465933)
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Project Period (FY) |
2018-02-28 – 2022-03-31
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Keywords | モンゴル / オーラルヒストリー / 女性 / 都市 / 教育 / 中国 / 社会主義 / 都市化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は中国社会主義集団経済と社会主義市場経済化を経験してきたモンゴル牧畜民女性の都市進出過程と都市での生活経験を、オーラルヒストリーにより具体的に明らかにすることである。 3年目は、これまでにおこなったオーラルヒストリーのテープ起こしおよび翻訳作業を継続して実施した。その成果の一部「都市在住モンゴル人女性のオーラルヒストリー(3)インチュン」『千葉大学ユーラシア言語文化論集』(22号、2020年)を発表した。インチュン女史はアイススケート選手で、牧畜民ではなく、知識人家庭の下に生まれており、それがゆえにスポーツ選手になることに対して父親との葛藤が生じている。ほかに国内外での活躍、養母との関係、政策による異動などが詳細に語られている。 また、現在公開準備をしているききとりでは大学の同級生や同僚が公的な面だけでなく、出産、育児においても重要な役割を果たしていることが明らかになっている。都市進出による人間関係の変化といえよう。 海外研究協力者であるペンシルベニア大学アトウッド教授のもとで、資料収集及び研究の打ち合わせをおこなった。英語での研究発表を進めるため、オーラルヒストリーの英訳をおこなうことにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
オーラルヒストリーの日本語翻訳に加え、英語翻訳を進めることにした。また、COVID-19の世界的な流行により、当該研究に必要な新規の聞き取りはもとより、再度の聞き取り調査が思うように進まなかった。これらの理由により、予定していた報告書を年度内に出版することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
オーラルヒストリーのテープ起こしおよび日本語、英語翻訳作業を継続して進める。報告書出版に必要な再度の聞き取り調査についてはSNSおよびメールを活用する。海外の共同研究者とのやり取りにおいても同様である。
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Causes of Carryover |
COVID-19の世界的な流行により、当該研究に必要な新規の聞き取りはもとより、再度の聞き取り調査が思うように進まず、そのため、予定していた報告書を年度内に出版することができなかったため。 次年度に英語訳も含めた報告書を出版する。そのために、印刷費用だけでなく、校正費も必要となる。
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Research Products
(9 results)