2017 Fiscal Year Research-status Report
Being Indigenous and being migrant: Indigenous Australians and Japanese migrants in northwestern Australia
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17K03275
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
山内 由理子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (50626348)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 移民 / エスニシティ / 先住民 / アイデンティティ |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度には、8-9月に西オーストラリア州ブルームに3週間滞在して日本人移民とオーストラリア先住民のミックスの人々に聞き取り調査及び前年の聞き取り調査のフォローアップを行った。家族関係やライフヒストリーのほか、日本にいる親族との再会などについてそれまでの調査や再会後の感想などについてインタビューを行っている。その後、西オーストラリア州パースに1週間滞在して文献調査を行い、1950‐60年代の彼らの移住背景に関して理解を深めた。さらに、西オーストラリア大学の研究者で西オーストラリア州のオーストラリア先住民の専門家や日本人移民研究者などと交流して今後の研究の方向をディスカッションし、将来の共同プロジェクトに関して協議した。これらの調査結果は以前からの聞き取り調査や文献調査なども含めて分析され、日本人移民とオーストラリア先住民のミックスの人々のアイデンティティやコミュニティとの関係などに関してを焦点に、下記のような形で報告された。
1.学会発表 日本文化人類学会(2017年6月 神戸大学)、オーストラリア社会学会(2017年11月 西オーストラリア大学)、日本オセアニア学会(2018年3月 沖縄海洋博公園) 2.論文 査読付き英語論文二本(People and Culture of Oceania vol33; Coolabah (forthcoming)) 3.著書 Duncan Williams編のHapa Japan vol.1(2017 Ito Centre Editions)に一章執筆
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、フィールドワークを行ってデータを収集し、分析した結果を学会、学術誌、学術書などを媒体として発表することができた。 また、西オーストラリア大学における関連分野の研究者との交流は当初の予定には含まれていなかったが、今後の研究のさらなる進展を示唆するものであり、研究の進捗状況としてはおおむね順調であったといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
4‐7月には日本においてデータの分析を行い、学会発表や論文、著書執筆の先鞭をつける予定である。 8‐9月には再びブルーム及びパースを訪れ、ブルームにおいてはフォローアップ調査及びブルームにおける文献調査を行う。ブルームでの滞在は1-2週間を予定している。パースにおいては文献調査、研究者との交流に時間を注ぎ、データの分析に集中する予定である。パースの滞在は2週間程度を予定している。 9-3月においては、日本をメインとしてデータを分析し、学会発表、論文執筆、および著書執筆のめどをつける予定である。
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Causes of Carryover |
必要な資料の購入に際し、検討や見積もりなどのために購入申し込みが2017年度の締め切りに間に合わなかったため。2018年度には、その分の購入を行い、今年度からの残額をそれに充てる予定である。翌年度として請求した助成金は今年度からの予定通り、フィールドワーク及び当初から予定していた物品購入に充てる予定である。
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