2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K03278
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
碇 陽子 明治大学, 政治経済学部, 専任講師 (10791866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市野澤 潤平 宮城学院女子大学, 現代ビジネス学部, 教授 (10582661)
渡邊 日日 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (60345064)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 不確実性 / リスク / 医療 / 観光 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終的な目標である、不確実性概念の理論的視座の構築は、研究代表者および研究分担者が参加する、関連する研究会などへの参加を通して、議論の洗練を試みた。人類学、および社会学の研究者との交流を通して、不確実性概念の理論的視座についての闊達な議論交換を行ってきた。議論交換では、不確実性を人類学的に論じるための理論的な視座として二つの点が絞られた。一つは、不確実性が立ち現れている状況を(過去訴求的に)所与として捉え、当事者がどのように問題としての不確実性に関わるかという視点からのアプローチである。もう一つの方向性としては、不確実性の立ち現れ自体を考察の対象にするものである。このように不確実性への視座を二つに分けた上で、本研究の研究メンバーは、前者のような、不確実性を解決すべき問題として捉えるというアプローチとは異なる議論のアリーナとして、後者の方向性の可能性の広がりを示すことを試みている。後者の方向性は、既存の研究では論じられてこなかったが、不確実性とは本来どのようなものであるのかを人類学的に考察する上で重要なものだと位置付けている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度も、各メンバーによる、不確実性に関わるフィールドワーク、および、文献を通した質的データ、また、先行研究資料を収集することを活動の柱とした。研究代表者を中心に各メンバーがそれらの作業を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、6月に日本文化人類学会で研究代表者と分担者を含め、不確実性についての分科会で発表する。再来年度には、研究代表者と分担者が中心となって、『不確実性の人類学』(仮)を出版する計画があるため、それに向けて今年度内に、研究会の開催を予定している。
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Causes of Carryover |
研究代表者が購入する予定のデータの購入時期を、手続きなどの理由から、平成31年度へ持ち越したために、次年度使用額が生じた。
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