2019 Fiscal Year Research-status Report
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17K03278
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
碇 陽子 明治大学, 政治経済学部, 専任講師 (10791866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市野澤 潤平 宮城学院女子大学, 現代ビジネス学部, 教授 (10582661)
渡邊 日日 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (60345064)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 不確実性 / リスク / 医療 / 観光 |
Outline of Annual Research Achievements |
人類学における不確実性の理論的視座の再構築という本研究の目的に向けて、今年度は、学会発表と研究会開催を行った。
2019年6月には、東北大学で行われた日本文化人類学会にて、本研究のメンバーが中心となり、不確実性についての分科会発表を行った。市野澤が分科会代表をつとめ、不確実性を人類学で論じることの意義を述べた。また、渡邊は人類学における不確実性の民族誌をレビューし、今後の不確実性研究の展望を述べた。碇は、現在進行中である軽度認知障害についてのインタビュー調査の結果を発表した。本科研メンバー以外の発表者も分科会に参加し、不妊治療における不確実性についての吉直佳奈子氏が、また、インドネシアの保険医療制度について阿由葉大生氏が研究発表し、それぞれの視点から不確実性へのアプローチを行った。また、不確実性についての研究会を2019年8月(宮城)と2020年2月(東京)に行った。前者では、福島第一原発をリスク社会学から研究している井口暁氏が発表を、後者では師田史子氏がフィリピンの賭博について研究発表を行い、活発に議論した。
不確実性は扱われるテーマと対象が広く、現状ではやや議論が拡散気味ではあるが、それをどのように整理していくのかなど、今後は、理論的な視座の再構築についての考察を深めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
各メンバーが、不確実性に関わるフィールドワーク、および、文献を通した質的データ、先行研究資料を収集し、作業を進めた。しかし、新型コロナ感染症の拡大により、春休みに予定していた研究会や出張をキャンセルせざる得ない状況になり、補助事業期間の延長を申請した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は新型コロナの影響がにより研究出張を取りやめることとし、理論的な視座の再構築について各自が進めることにする。とりわけ、現状の研究動向を整理するために、広範囲な先行研究のレビューを行い、アウトプットとして出すことを考えている。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染拡大に伴い、2019年度の春休みに予定していた研究会や研究出張を全てキャンセルしたため。
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