2017 Fiscal Year Research-status Report
北タイ、チェンマイの霊媒術と憑依文化の再編に関する人類学的研究
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17K03280
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Research Institution | Toin University of Yokohama |
Principal Investigator |
福浦 一男 桐蔭横浜大学, スポーツ健康政策学部, 准教授(移行) (80425016)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 霊媒術 / 憑依文化 / 上座部仏教 / チェンマイ / 北タイ / 宗教実践 |
Outline of Annual Research Achievements |
北タイ、チェンマイの霊媒たちは集団儀礼の実践を通してインフォーマルな集団を形成している。チェンマイは、13世紀末から20世紀初頭までインドシナ半島北部に存在したラーンナー王国の中心地であり、旧市街中心部には歴史的な政治権力を儀礼的に正統化する儀礼的象徴「インドラ神の柱」が存在する。第2次大戦後以来、霊媒集団の従来のコア・グループは、今日に至るまで「柱」とその守護霊に対する信仰を活動の中心に据えている。 近年では、この信仰に直接関わるグループと並行して新たなサブ・グループが伸張しており、静かに世代交代が進展しているかの感もある。そのため2017年夏および2018年春には、チェンマイ市内の歴史的記念像における霊媒集団儀礼を毎年主催する複数のグループの霊媒たちを対象に調査を実施した。その結果、次世代の霊媒術を担うリーダーたちのさまざまな伝統宗教観、および彼らが直面する複雑な社会的状況を把握することにより、現地の憑依文化の現代的諸相が明らかとなった。 さらに近年、霊媒集団による憑依儀礼の場に上座部仏教僧が姿を現し、霊媒たちと交流する姿がしばしば見受けられる。この点に関しては既に2017年発表の英語論文において言及しているが、さらに理解を深化させるべく、2017年夏および2018年春に、チェンマイおよび周辺地域の上座部仏教寺院における調査を実施した。その結果、現代の仏教僧もまた、精霊信仰、霊媒術、上座部仏教が織りなす北タイ独自のゆるやかな宗教システムを強く意識しているということが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り調査を実施し、かつ国際学会での研究発表も執り行い、さらに論文も公刊できている。よっておおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、チェンマイの霊媒集団の新たなサブ・グループによる集団儀礼の実践をはじめとする現地の憑依儀礼実践の再編に関する調査を中心に進めることにする。
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Causes of Carryover |
物品購入のため。
当初の計画通り、前年度に予定していた物品を夏までに調達し、調査資料の整理を実施する。
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Research Products
(2 results)